韓国の日本製品不買運動 その目的は“社会的地位獲得”にあり!?
(「VANK HP」より)
「日本製品を買わないし、売らない!!」
去る3月1日、韓国の一部の人々の間で日本製品“不買運動”が始まった。不買運動は、韓国の民間団体『路地裏商圏生存消費者連盟』を中心にする自営業者たちが決起したもので、日本の“竹島の日”記念式典に対抗する性格を持っている。運動を主導する同連盟オ・ホソク代表は、「日本が真摯に独島(竹島)に対する侵略野望を捨て、本当の平和が訪れるまで不買運動を継続することが私たちの決意だ」と語気を強めて韓国メディアに宣言した。
今回の不買運動には、600万人に上る自営業者や商人が参加している。数字上では、韓国国内に流通する日本製品の80%に影響を与えるとも言われているが、オ代表は「経済規模が大きい日本に対して不買運動を行なっても、効果は薄いだろう」と冷静さも失っていない。さらに、韓国の世論調査機関・モノリサーチによると、今回の不買運動に反対、もしくは関心がないという人が53%と過半数を占めている。「意気込みはいいけど、現実は…」というのが一般的な韓国市民の反応なのだ。
確かに日本への経済依存度が高い韓国で、長期的に日本製品を取り扱わないことは、現実的に不可能だろう。相手に経済的なダメージを与えることができないことを、彼らは誰よりも知っているわけだ。それでもあえて不買運動に踏み切ったのはなぜかーー。
そもそも『路地裏商圏生存消費者連盟』は、商店街の売り上げ増加を目的にする個人自営業者たちの団体である。経済格差が広がる中で大型店との競争に敗れ、韓国では町の商店街や自営業が次々と閉店に追い込まれている。そのため同連盟は、サムスンやロッテ、現代グループなど財閥系企業に照準を絞った“大型店不買運動”も展開中。ただ、それも理屈上では、大企業に経済競争で太刀打ちできるわけがないことは明白だ。
それだけに彼らの不買運動には「理解に苦しむ」、「しょぼい不買運動」などの評価も飛び交うが、運動の真の目的が外側に影響を与えることにあるのではなく、“内側”にあると考えれば、すべての疑問は解消される。同連盟のオ代表の言葉が印象に残る。
「今回の不買運動は、論理を超えた我々の自尊心なのだ。経済論理で不利だからといって、我々が沈黙してはならない。この不買運動を愛国運動に昇華させることが重要なのだ」
つまり彼らは、日本に対抗することで、韓国社会に自らのナショナリズムを誇示しようとしているのだ。
ナショナリズムを発揮して何の得があるのかと考えるのは早計だろう。韓国では日本と異なり、ナショナリズムによって社会的地位を得るトレンドがある。
例えば、韓国の代表的な“ネトウヨ”であるVANK。世界中のサイトや教科書、地図などの“竹島”、“日本海”表記を修正させる活動を行うこの団体は、昨今会員数10万人を超えるほどの勢いで成長し、政府から支援金を得るほどの地位を築いている。ナショナリズムを示すことは、韓国社会で自らの地位を確立する一つの手法なのだ。
この“手法”は民間団体だけでなく、スポーツ選手や芸能人、政治家もよく使う。朴槿恵大統領も3.1節記念辞で、「日本は歴史を正しく直視して、責任をとる姿勢を持たなくてはならない」と毅然と述べ、韓国市民の支持を得ている。