「Tizen」「Firefox OS」。このあたりが特に目立っていてIT系ニュースなどでも目にすることが多いのだが、一体どういうものなのだろうか。
●キーワードは「HTML5」
新たなOSとして名乗りを上げているOSは、HTML5をうまく利用しようということが共通している。HTML5というのはウェブページを記述する言語のことだが、従来の一般的なウェブページよりもずっと表現力が高く、いろいろと動くページがつくれるという特徴を持っている。これを利用してアプリをつくってしまおうというのが、最近の流れだ。
ウェブページのための言語だから、PCからでもiOSからでもAndroidからでも、対応しているブラウザで普通に見ることができる。実際、すでにAndroid向けなどでHTML5でつくったアプリもいくつか出てきている。ただ、あまりうまく動かないというものが多いようだ。それは「AndroidというOSの上でブラウザアプリを動かし、その中でHTML5アプリを動かす」という形になっているからだ。これを真ん中を飛ばして、OSの上で直接HTML5アプリを動かせるようにする、という方向性が「Tizen」と「Firefox OS」で共通している。
HTML5だと、比較的簡単にアプリが開発できるといわれている。iOS向け、Android向けと別々に開発するよりも楽になるということも大きいだろう。
●1社に握られていないOSを求めるメーカーが支持
iOSはアップルががっちりとつかんでいる。他社がiOS搭載機をつくることはできないし、iOS向けのアプリやサービスをつくるにも、アップルの厳しいチェックを通過しなければならない。Androidはそれに比べれば緩いといわれているが、それでもGoogleが1社でいろいろ握っているのは確かだ。ところが、「Tizen」と「Firefox OS」はそうではないらしい。
「Tizen」はサムスンを中心とした数社が共同で育てている状態で、「Firefox OS」は非営利組織であるMozilla Foundationが主導している。だから、Androidよりも端末メーカー側が自由にカスタマイズできる部分が多かったり、1社の考えで振り回されたりすることはないだろうという期待があるようだ。
(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20130304/1047862/?bpnet&rt=nocnt)
●第3のOSの使い心地は?
日本では、すでにドコモが「Tizen」、auが「Firefox OS」を搭載した端末を出すと発表している。Androidをやめるということではなく、比較的ハイスペックな端末をAndroidに、ロースペックな端末を新OSにというかたちで振り分けて併用する形をとるだろうというのが、今のところ見えている流れだ。
現時点では製品として市場に出ているものはないため、製品化された場合の使い心地はまだわからない。ただ、デモ機を触った人のレポートによれば、現段階ではまだ実用性が低いもののようだ。ただ、これはAndroid等でも同じことで、試作機の間はあくまでも試作機。かなり発売が迫ってからでもチューニングで大きく変わってくることもあるから、今後の開発に期待したいところだ。
(http://japan.cnet.com/mobile/35029137/)
(http://japan.cnet.com/mobile/35028763/)
●第3のOSは日本で普及する?
もしロースペックな端末に搭載することで圧倒的に安価なスマートフォンというものが登場すれば、ある程度の普及は見込めるだろう。企業用端末や年配者向け、子供向けといった端末として安価で簡易な端末の需要はある。ただしそれは、日本特有の機能をすべて盛り込んだ端末が出てくれば、という条件付きだ。