本日(4月12日)、作家・村上春樹氏の小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋刊)が発売される。村上氏の長編小説としては、2010年4月に刊行された『1Q84 BOOK3』(新潮社刊)以来3年ぶりの作品となる。
前作『1Q84』はBOOK1〜3のシリーズ累計部数で300万部を超えるベストセラーとなったが、最新作『色彩を持たない〜』も、発売前から予約が殺到し、すでに4刷の累計50万部となっている。また、総合オンラインストアのAmazon書籍ストアにおいては、3月25日に予約が1万冊、4月6日に2万冊を突破し、村上氏関連の小説においては最速のスピードとなっている。
加えて、村上氏の短いメッセージが発表されるほかは、作品の内容がほとんど明かされていないことなどもあり、ファンの注目を集めていた。
発売日の12日には、全国の書店でさまざまなイベントが開催されるほか、各地の駅コンコースに臨時発売所なども設置されるが、中でも注目を集めているのが、前日11日23時〜東京「代官山 蔦屋書店」で開催されたイベント「『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』世界で一番早く読めるカウントダウンイベント&深夜の読書会 with 福田和也」だ。イベントには全国紙各紙やテレビ局など多数のメディアが取材に訪れ、その模様はテレビで生中継をされるなどして、盛り上がりを見せた。
彼の巡礼の年』(文藝春秋刊)
また、同じく読書会に参加した30代女性は、「私は村上さんの昔の作品が好きだが、前作の『1Q84』は昔の作風に戻ったとも言われており、今回も昔のように主人公のパーソナル面に焦点を当てているのではとの前評判もあるので、期待している」と語った。
読書会では、福田氏が「まだ作品のタイトルしかわからないので、なんとも言えないが」と前置きしつつも、「村上さんの作品は、結末で物語が終ったのか終っていないのかがわかりにくいものが多いので、今回はどうなのか気になる」と話すと、参加者のひとりは、「逆にわからないほうが、気になって何度も読めるので、ファンとしてはむしろ物語が終らないでほしい」と反応するなどして、議論は盛り上がった。