インターネット広告代理店事業をはじめ、スマートフォン(スマホ)向けコミュニティ&ゲーム「Ameba」の運営、ソーシャルゲーム、投資事業など幅広く展開するサイバーエージェント。そんな同社が運営し、今や1300万人を超える利用者がいる日本最大級のアバターコミュニティサービス「アメーバピグ」。2009年にスタートしたアメーバピグの立ち上げチームのプロデューサーを務めたのが、当時まだ入社2年目だった山崎ひとみ氏だ。
山崎氏は、10年までアメーバピグ全体のプロデューサーを務めた後、12年8月には、スマホ向けの“新感覚”ひとりごとコミュニティ「きいてよ!ミルチョ」も立ち上げ、現在はアメーバ事業本部ママ事業部の事業部長として、数多くの新規事業の立ち上げに携わっている。
そんな山崎氏に、
「サイバーエージェントの正体とは?」
「同社が斬新なサービスを数多く生み出し、ヒットさせる秘訣はどこにあるのか?」
「プロデューサーというお仕事とは? そしてその魅力と難しさとは?」
などについて聞いた。
–サイバーエージェントに入社された動機について教えてください。
山崎ひとみ氏(以下、山崎) 学生時代、広告代理店にはある種のあこがれを抱いていました。それで、何社か会社訪問をしたのですが、実は就活を始めた頃はずっと気が重かったのです。気が置けない友人たちと楽しい生活を過ごした学生時代から、堅苦しい社会に出ていくわけですからね。でも、会社説明会などで出会ったサイバーエージェントの社員の方々は、自分が抱いていた社会人のイメージとはかなり違っていました。みんな若く、イキイキとしていて、“仕事ができる人”という感じで、格好いい会社だとすごくポジティブな印象を受けました。それで、「こういう人たちと一緒に仕事ができたら、すごく楽しいだろう」と思ったわけです。
–実際に入社されてからの印象はいかがでしたか?
山崎 「若手を抜擢する会社」「若い力とインターネットで日本を元気に」という看板に偽りはありませんでした。というか、それ以上でしたね。想像していた以上にたくさんのチャンスをもらえる環境があります。私自身、入社2年目に新規事業の立ち上げを任されました。やる気満々で入社したわけですが、まさかそれほどすぐにそのようなチャンスがあるとは思っていませんでした。
●入社2年目でアメーバピグの立ち上げ責任者に
–その新規事業がアメーバピグですね。
山崎 藤田晋社長から、「ブログ用に着せ替えができるアバターをつくってほしい」と依頼されたのがきっかけでした。チームでいろいろ議論していく中で、「アバターを動かすための仮想空間をつくろう」というように構想がどんどん広がっていって。結局、その構想を実現するためのプロデューサーを任されました。
–具体的には、プロデューサーとしてどのようなことをされたのですか?
山崎 サービスのプランニングの責任者として、まずはチームのメンバー全員の声をまとめながらプランニングを行いました。開発が始まってからは、プロジェクトマネジメントですね。アバターのキャラクターイラストを制作するためのコンペを行ったり、法務室とサービスの利用規約をつくったり、サービスリリース後はプロモーションのプランを考えたり。「事業としてどのように大きくしていくか」というような中長期での事業計画も練りました。プログラミングやデザインなど、技術的な領域以外はすべて、ということになりますね。
–2年目の新人がチームを引っ張っていくことのやりにくさ、つらさはありませんでしたか?