楽天FBファン数100万人突破、規約違反の疑いでFB社が調査へ…無関係のアプリ経由か
「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、あらゆる企業の裏の裏まで知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない、「あの企業の裏側」を暴く!
6月19日、楽天が運営するサイト「楽天市場」のFacebookページのファン数が、日本人向けに情報を提供している企業・ブランドページとして初めて100万件を突破し、日本一となったニュースが話題になった(『楽天市場がソフトバンクを抜いて「いいね!100万人」一番乗り、多数のコメント・シェアでモールに誘導』<日経デジタルマーケティング/6月25日/http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmgp/20130624/250129/>)
実は6月19日直前まで、「楽天市場」Facebookページのファン数は89万人程度で、ソフトバンクが無印良品を抜いて、初の100万人に向け秒読みかというギリギリのラインだった。しかし、楽天が仕掛けたキャンペーンにより、6月18〜19日のわずか2日間で「16.7万人抜き」をやり、ソフトバンクを抜いて逆転し、ファン数1位になったのである。
先出の日経デジタルマーケティングの記事中では、100万件達成の成功要因は「楽天トレジャーハンティング」というFacebook上のキャンペーンによるものと説明され、同社ソーシャルマーケティンググループリーダーの田島氏も、「エンターテインメント性の⾼いソーシャルキャンペーンや季節性を意識した懸賞、アプリを複数実施したところ、ファン数が急増した」とコメントしている。
しかし、楽天側が記者に語った内容には一抹の疑義が持たれている。確かに、楽天の「いいね!」数が100万を超えたのは事実だが、この大量の「いいね!」獲得は、「キャンペーンに見せかけた巧妙なカモフラージュ」であるとして、Facebook Japanが調査に入っているのだ。
疑いのポイントは次の3点。
・「いいね!」が増えた要因は、キャンペーンとはまったく無関係のアプリによるもの
・しかも、そのアプリに「楽天」の名は出ない
・その事実を隠蔽するためかのように、表面上は「楽天トレジャーハンティング」で増えたように公表している
これは、健全なソーシャルメディアの発展を阻害する行為の恐れがある。詳しくは以下概要をご覧いただきたい。
【概要】
・6月17日(月)
楽天がキャンペーン「楽天トレジャーハンティング」を開始
→翌日までに「いいね!」数が約3万人増加
・6月18日(火)
楽天が診断系アプリ「脳性格診断テスト」を開始
→翌日までに「いいね!」数が約12万人急増(18日と19日計で約14万人増加)
→これにより、19日に「楽天市場」Facebookページの「いいね!」数が100万人を突破
・この「脳性格診断テスト」は、入口で「いいね!」を押す以外、楽天のロゴや表記は一切登場しない。つまり、ユーザーにとっては、単なるゲームにしか見えない。
・実際、前出の記事中にある「楽天トレジャーハンティング」経由の「いいね!」数は当該アプリ中で明示されているが、このキャンペーン開始後5日を経ても3万件に満たず、キャンペーンが成功要因ではないことが明らか(6月21日15時時点で、用意されている当選数「800,551箱」に対して、残り数「771,774箱」であり、消化数は「28,777箱」。ほとんど消化が進んでいないことがわかる)
【検証画像】