インターネットリサーチ国内最大手のマクロミル。2000年の設立からわずか10年余りで、社員数600人以上を抱え、取引社数4000社、年間1万7000件を超える調査実績から培ったリサーチノウハウをもとに、企業のマーケティング活動や意思決定に役立つさまざまな独自のリサーチソリューションを提供している。また、独自構築した100万人を超えるネットリサーチモニタへのリサーチが可能なほか、韓国や中国にも拠点を置き、アジアを中心とする世界87カ国以上の消費者を対象とした海外調査も可能だ。最近では、リサーチにとどまらずプロモーションやメディア関連事業も積極的に展開している。
そんなマクロミル社FMCG事業部営業ユニットの佐久志歩氏に、
「知られざるネットリサーチという世界とは?」
「マクロミルの強さの秘訣とノウハウとは?」
「ネットリサーチというお仕事の魅力とは?」
などについて聞いた。
–マクロミルを就職先として選んだ理由について教えてください。
佐久志歩氏(以下、佐久) 就職活動をしていた3年前、就職先としてマクロミルを考えるとき、ネット系企業という面とマーケティング企業という面の2つがあったと思います。私の場合はマーケティング企業としてのマクロミルに魅力を感じ、志望しました。
実は、以前から途上国や新興国の実情に関心があり、大学時代に休学してアメリカとアフリカのモザンビークでAIDS予防のNGO活動に参加しました。卒業後は、さらにイギリスの大学院でも勉強しました。そして、将来は途上国や新興国の人々の生活の質を向上させるために、日用品のマーケティングに関わっていきたいというのがずっと持っている夢です。ただ、そのためには具体的にどうすればいいのか、あまり知識がなかったので、マーケティングの会社でさまざまな企業のマーケティング事例を見ながら、もっと勉強しようと思ったわけです。そこで、2011年4月に新卒で入社し、今年で3年目です。
–現在のお仕事の内容について教えてください。
佐久 私が所属するネットリサーチの営業ユニットは、新規開拓と既存のお客様への企画提案、この2つが主な仕事です。企画提案というのは、お客様を訪問してお客様が抱えている課題を聞き出し、その課題解決のために社内のリサーチャーと協力してアンケートを設計・データ分析するというものです。つまり、お客様に対してはコンサルタントであり、社内的にはプロジェクトマネジャーであるという仕事です。私の場合は、大手のお客様に対する営業活動に重点を置いてきました。
就活時の面接の時には、配属先として営業ではなくプランナーを希望しました。プランナーというのは、市場環境を調べ、「このお客様は、こういう課題を抱えているのではないか」という仮説を立て、それに対する課題解決まで考えた上でお客様と面談し、仮説が正しくお客様が調査をGOすれば、実際に自分の仮説に基づいたアンケート設計・結果レポーティングまでを自ら一貫して行うことを専門とする部署でした。ただ、実際に入社した時にはその部署がなくなっていたので、プランナーに近い仕事ができる営業を希望しました。
–実際に入社してみて、入社前にイメージしていたことと違った点などはありましたか?
佐久 社内の雰囲気という意味では、面接の時にお会いした社員の方々はすごく活気があり、若々しい雰囲気の企業だと感じましたが、その印象は入社後も変わりませんでした。ただ、個々人のレベルまで落とし込むと、「こんなにも面白い人が世の中にはいたのか。しかも同じ会社に!」とびっくりするほど、社員の皆さんユニークで突出している点が、入社前のイメージを超えていた点です。
仕事の面では、自分が思っている以上に、いろいろな人に会うことができると実感しています。例えば、自分が日常的に使っているものを開発した人に会えるというのは、開発裏話も聞けるので結構興味深いところがあります。逆に、普通に生活していたら到底触れることのない製品・サービスの開発者にも会え、人生の知見を広めるチャンスにもなっています。
また、以前は、毎週月曜日の朝に全社員が集まる「ミル会」と呼ばれる朝会があり、各事業部のトップが部の状況や課題、対応策について報告していました。そういう週次の報告を聞いていると、どのようにして売り上げや利益の数字はつくられていくかがわかり、営業という視点からとても参考になります。この「ミル会」には社長も参加します。みんなに交じって報告を聞いている社長の姿は、いわゆる社長然とした社長ではなく、同じマクロミルの仲間という感じがして親近感を覚えますね。
●ネットリサーチはチーム戦
–今までの仕事の中で、印象に残っていることはありますか?
佐久 営業という仕事は、どういう案件でも自分一人で完結できると思いがちですが、実際にはいろいろな部署の人に協力してもらわなければ、案件を前に進めることはできません。