ともあれ、「合計特殊出生率」は、最低でも2.0以上ないと、現状の人口を維持できないことになります(なお、私のシミュレーションプログラムでは、2.2以上が必要であるとの結果が得られています)。
●70年後には人口が半分に
つまり、日本の将来は、実質的にこの「15歳以上50歳未満の女性の方々」に委ねられているといっても過言ではありません。
この方々のご機嫌を損ねると、我が国は本当にとんでもないことになるのですが、我が国は「ご機嫌を損ねる」どころか、政府のエライ方から下々に至るまで、この方々に…
–無礼の限りを尽くしている–
という現実があります(これについては、次回以降に、詳細にお話致します)。
さて、計算結果を、表1に示します。
–え? これ本当? と、計算結果に自分でうろたえてしまいました。
私の娘たちが母親になっている(?)頃には、首都2つ分の人口が消滅し、その孫が母親になっている時代には、人口が半分になっているという計算結果が出てきました。
もう少し具体的に説明しますと、今度の東京オリンピックが開催される7年後の2020年までに、太平洋戦争の我が国の犠牲者310万人を超える人口が消滅します。第二次大戦の全世界の犠牲者数はおよそ5500万人とされていますが、2073年(60年後)までに日本一国だけで、それと同程度の人口減少が起こります。
自分のシミュレーションプログラムのアルゴリズムに不安が出てきたので、他の文献を探してみた結果、国土交通省の「2050年には日本の総人口は3300万人減少」(註4)という記載を見つけました。私の計算結果とは2%程度の違いしかなかったので、アルゴリズムは概ね妥当であると考えています。
図1~4は、人口ピラミッドの変化を示す図です。たった、100年間で、日本はすごくスリムになります。これがダイエットなら最高なのですが、不健康に痩せすぎのようにも見えます。