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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(12月第2週)

“優等生”韓国の厳しい実態…超格差、高齢者の半数が貧困

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サムスン本社もオシャレ。(「wikipedhia」より)
 毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」と「週刊ダイヤモンド」を比べ読み。小難しい特集を裏読みしつつツッコミを入れ、最新の経済動向をピックアップする!

今週のダイヤモンド編はこちら!

「週刊東洋経済 12/15号」の大特集は『韓国の強さは本物か』だ。保守系与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補と革新系最大野党の民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補との事実上一騎打ちとなっている韓国大統領選挙は 12月19日に投開票があり、タイムリーな企画だ。

 躍進する韓国と没落する日本、英『エコノミスト』による未来予測書『2050年の世界』は2050年の両国の姿を明確に描き分けた。購買力平価(PPP)ベースの1人当たりGDPでみて、米国を100とすると、韓国は105、一方で日本は58に後退し、倍近い差がつけられるというのだ。 また、IMF(国際通貨基金)は、韓国の1人当たりのGDP(PPPベース)は、5年後に日本に追いつくと予想している。

●ブラック国家・韓国の厳しい現実

 韓国といえば、97年のアジア通貨危機で経済が破綻寸前にまで陥った。IMF管理下で財閥企業の解体と集約が行なわれ、サムスングループなど生き残った財閥は残存者利益を享受し、経済グローバル化の波に乗って、輸出を急拡大し経済成長のけん引役となった。07年ごろから進行した通貨ウォン安は08年のリーマンショックで加速、韓国企業の輸出攻勢に拍車をかけた。小さな政府の下で規制緩和と減税で経済を活性化させた韓国は、ワシントンコンセンサス(世界銀行やIMFの構造改革路線)の優等生だ。

 だが、当の韓国では、その先行きに懐疑的な声が大きい。高成長を謳歌する輸出企業の反面、韓国経済には「ダウン5」と呼ばれるリスクがあるからだ。

 ①北朝鮮の体制不安定化による地政学リスクの高まり、②少子化による潜在成長率の低下、③構造的な内需の小ささ、④非正規雇用の増加など所得分配上の格差拡大、⑤所得伸び悩みによる家計負担の増加だ。

 とくに「③構造的な内需の小ささ、④非正規雇用の増加など所得分配上の格差拡大、⑤所得伸び悩みによる家計負担の増加」については、97年以降の経済改革とそれを加速させた李明博政権への批判が高まっている。

 今回の大統領選で「経済民主化」が争点になっているのはその現れだ。現在の韓国は財閥を優遇し、同時に通貨・ウォン安政策を取ることで、輸出で稼ぎだすビジネスモデルを採っている。この政策でサムスン、現代自動車、LGグループなどといった財閥による輸出産業を中心に。日本を圧倒している状況だ。財閥は韓国国内でも経営多角化を進め、個人経営商店や中小企業を圧迫、ウォン安政策で国内のインフレ率も上昇し、大きな格差を生み出している。

「経済民主化」とは、「財閥が経済民主化の障害」だとして財閥のグループ企業が輪を描くように株式を持ち合う「循環出資」などを規制するものだ。

 そうした経済的うまみにあずかれない一般市民の現実は過酷だ。特集記事『経済編 韓国人を苦しめる生活難の正体』によれば、若年層の失業率は10%を超えていると見られ、深刻だ。大学4年のときに就職ができず卒業を延ばした、就職を目的に留年するNG族(No Graduationの略語)が、韓国全体で100万人を超えているほどだ。韓国の大学生が5人いれば、1人は正規雇用、3人は非正規雇用、1人は就職できないとまでいわれているほどだ。

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