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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(10月第1週)

激化するポスト・スマホ戦争~メガネと腕時計めぐり争うグーグル、アップル、サムスン

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週刊ダイヤモンド(ダイヤモンド社 HPより)
 「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/10月5日号)は、「スマホの次はこれが来る!」という特集を組んでいる。「もはやスマートフォン(スマホ)は新しい体験を提供してくれるものではなくなった。技術的には成熟した製品となった。代わって注目を浴びているのが、メガネ型、腕時計型などの『ウェアラブルコンピュータ』だ。実際、グーグル、アップル、サムスン電子といったスマホ時代の巨人たちは『スマホの次』のデジタル機器の主役を張るであろう、『身に着ける』コンピュータにかじを切っている」という内容で、今年9月、ドイツ・ベルリンでの欧州最大の家電見本市IFA2013が開かれたのだが、そこで明らかになった最新事情を基にしている。

 一足先にライバル誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/9月21日号)は「アップル再起動&電子部品サバイバル」というスマホ業界特集を組んでおり、IFA2013で腕時計型の情報端末「ギャラクシー・ギア」をサムスンが発表したことで、追う形になったアップルが、今春、日本やロシアなど複数の地域で時計型デバイス「iWatch」の商標を登録したことから、来年にも発売の可能性があると指摘している。(「アップル人気に陰り!?iPhone失速で減益続く…中韓勢台頭で激変するスマホ市場」)。

●スマホの次はメガネか? 腕時計か?

 今回のダイヤモンドは、身に着ける情報端末「ウェアラブルコンピュータ」に別の形で迫っている。それは、メガネ型VS腕時計型という対決だ。

 グーグルの共同創業者・技術部門担当社長のセルゲイ・ブリン氏は、今年2月のあるイベントで、こうプレゼンしたという。

 「下を向いて、のっぺりとしたガラスの画面をこすって歩く姿が、はたして最終形なのだろうか?」

 「この姿勢が『グーグルグラス』のプロジェクトを始める理由の1つとなった」

 グーグルグラスは、グーグルが開発を進めているメガネ型のウェアラブル機器。「実際に目で見ている風景にコンピュータ情報を重ね合わせる『拡張現実(AR)』と呼ばれる技術を活用して、ウェブ検索やカメラ撮影、通話やチャットといったスマホでできる機能を、完全ハンズフリーで操作できる」というものだ。

 メガネ型をポストスマホと位置づけているグーグルに、アップルとサムスンは腕時計型で勝負するという構図になった。メガネ型のウェアラブル機器は、もともと米ボストン・マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボで20年ほど前に研究されていたもの。当時のメディアラボでプロジェクトチームを率いていたサッド・スターナー教授が、今回のグーグルグラスの技術主幹を務めたことから、メガネ型ウェアラブル機器プロジェクトが一気に進んだという。毎日ウェアラブル機器を装着していたことから、「サイボーグ教授」といわれたスターナー教授は「スマートフォンは、道を歩いている時に使うには便利ではない。だが、メガネ型だといろんな情報を得るのが何倍も早いし、社会的にも障害が少ない。腕時計型と比べても機能的だ」と語る(特集記事「Part1 『持つ』から『身に着ける』へ」)。

 メガネ型か腕時計型か、決着はなかなかつきそうにないが、いずれにせよ当面はスマホのアクセサリーとしての利用にとどまることになりそうだ。ウェアラブル機器の普及において、関係者が期待する一大イベントが2020年の東京五輪だ。「東京五輪は、選手がメガネ型機器を着けて走り、映像は選手の視点で見られるようになっていればいい。ウェアラブル五輪にしてほしい」と夏野剛・慶応義塾大学客員教授は語る。

 しかし個人的には、コンタクトに替えてメガネのわずらわしさに気が付いた経験や、携帯を持つようになって腕時計を着けなくなり、腕にべったりはりつく不快感から解放された経験から、メガネ型vs.腕時計型の対決は、決定打に欠けるために引き分けになりそうな気がしないでもない。
(文=松井克明/CFP)