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柳谷智宣「気になるITトレンドの“裏”を読む」(第9回)

iPhone 5C/5S、キャリア選びのポイントを整理〜周波数帯より考慮すべき点は?

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iPhone 5s(「Apple Japan HP」より)
 PCデビューは30年前に発売されたシャープのX1という、筋金入りのデジタル中毒であるITライターの柳谷智宣氏。日々、最新デジタルガジェットやウェブサービスを手当たり次第に使い込んでいる。そんな柳谷氏が、気になる今注目のITトレンドの裏側とこれからを解説する。 

 iPhone 5C/5Sが登場し、同時にNTTドコモのiPhone参入も発表された。iPhone 5Sは、数字が変わらないマイナーバージョンアップの「S」とはいえ、カメラ機能が強化され、指紋認証機能を新搭載。CPUやGPUの性能も最大2倍になり、物欲を刺激される端末に仕上がっている。そこで気になるのが、どの通信キャリアを選ぶべきかという点だ。今回は、各キャリアが採用している周波数帯についてチェックしてみよう。

 iPhone 5C/5Sはサポートする周波数ごとに、4モデルずつ用意されている。日本で発売されるのはiPhone 5CがA1456、iPhone 5SがA1453というモデル。13の周波数帯をサポートし、プラチナバンドも網羅していることが話題になっている。

 プラチナバンドとは700〜900MHz帯の周波数帯のことで、電波が回り込みやすい性質を持っている。要は、つながりやすいというのがアピールポイントで、auは800MHzのバンド18、ドコモは800MHzのバンド19を利用しており、今回のiPhoneはこの帯域に対応している。また、ソフトバンクは900MHzのバンド8を2012年に取得している。

 auとドコモは800MHz帯をすでにLTEで利用しており、通信品質の向上が期待されている。特にauの主に800MHz帯ではLTEが主に展開されているので、高速通信が可能。ソフトバンクは今のところ900MHzでは3Gのみを運用しており、プラチナバンドのLTEは14年4月から、順次スタートしていく予定だ。

●周波数帯でキャリアを選ぶのは無意味?

 auが発表した13年8月17日のデータでは、LTEで使われている2.1GHz帯の基地局は、ドコモが3万2000カ所、ソフトバンクが3万カ所、auが2万5000カ所となっている。ソフトバンクはさらにイーモバイルの1.7GHz帯LTEの基地局を9000カ所持っている。しかし、プラチナバンドが利用できるようになることで、auのiPhone 5C/5Sではプラス3万2000カ所の基地局を使えることになる。ドコモは約2000カ所、ソフトバンクはゼロだ。

 このことから、au端末では通信品質や通信速度の向上が期待されている。今年4〜5月に大規模なネットワーク障害を起こしたauとしては、ユーザーのフラストレーション解消とばかりに攻勢に出ている。

 auの通信品質が改善され、問題だったパケ詰まりが解消されるのは歓迎すべき点であることは間違いない。とはいえ、そこまで大きな変化が起きるわけではないと考えられる。LTEがつながらなくても、3Gでつながっているのならそれほど大きな不満は出ないだろう。つながらないのはストレスだが、最大通信速度に差があっても一般ユーザーは気にしないことが多い。一方、ドコモはそもそも800MHz帯をメインのLTE帯域として使う気がなさそう。iPhone 5C/5Sが発売されたら、あらゆるメディアでテストが行われるだろうから、それまでは周波数帯でキャリアを選ぶのは意味がない。

 結局、自分の生活範囲で電波が入るのであれば、どのキャリアでも満足できると思われる。それよりも、MNP(番号継続サービス)やキャンペーンを活用し、コスト的に一番お得なキャリアを選んだほうが後悔しないだろう。
(文=柳谷智宣/ITライター)

<新型iPhoneがサポートしている周波数帯>
http://www.apple.com/iphone/LTE/