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みずほ銀、正念場の今年、経営健全化なるか?信用回復への課題と、トップ人事めぐる動き

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みずほ銀、正念場の今年、経営健全化なるか?信用回復への課題と、トップ人事めぐる動きの画像1みずほ銀行本店(「Wikipedia」より/Yuukokusya)
 みずほ銀行暴力団融資問題で金融庁は昨年12月26日、みずほ銀がグループの信販大手、オリエントコーポレーション(オリコ)などを通じて展開してきた「提携ローン」の新たな業務を、今年1月20日から2月19日までの1カ月間停止するよう命じた。「提携ローン」を舞台に暴力団組員らに融資し、それを2年以上も放置していたことに対する措置である。

 加えて、グループ全体の企業統治(ガバナンス)体制を強化するよう、みずほ銀と持ち株会社、みずほフィナンシャルグループ(FG)に業務改善命令を出した。この問題では昨年9月27日に業務改善命令が出ており、同じ事案での追加処分は極めて異例だ。

 メガバンクが一部業務停止命令を受けるのは、2007年2月の三菱東京UFJ銀行以来、約7年ぶりのことだ。同行は大阪市の財団法人「飛鳥会」をめぐる業務上横領事件に関連し、法人向け新規融資を1週間禁じられた。

 みずほ銀は10月末、先の行政処分の責任を明確にするため、前頭取だった塚本隆史会長が辞任(FG会長は続投)、佐藤康博頭取(FG社長を兼務)は役員報酬を半年間ゼロにするなど、一連の社内処分を行った。

 追加の処分を受けた佐藤頭取は昨年12月26日、記者会見を開き、塚本FG会長が今年3月31日付で引責辞任すると発表。「本人から辞任の申し出があった」と説明した。

 塚本FG会長は文字通り“辞任カード”だった。10月の社内処分でみずほ銀会長を辞任したが、FG会長にとどまった。国会で「処分が甘い」と批判されたが、金融庁の追加処分があれば、「もう一度」辞任できる余地を残していたのだ。

 佐藤頭取の役員報酬のカット期間は、半年から1年に延長された。経営体制を大幅に見直し、役員人事や報酬を社外取締役の主導で決める「委員会設置会社」を14年6月をメドに設立し、「開かれた会社」を目指すと宣言した。

 昨年11月5日から始められた金融庁の再検査では、旧3行の「縦割り意識に問題あり」として検査が進められた。FGは旧富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の3行が合併してできたが、問題が起きるたびに組織として一体となった対応ができない状態が続いてきた。取締役会は、議案1件につき平均5分程度しか議論の時間を割いておらず、取締役会が意思決定機関として機能していなかったことが追加検査で明らかになった。

 オリコの歴代会長&社長は第一勧銀出身者が占めていて、オリコは第一勧銀の案件。興銀と富士銀は「われ関せず」という態度だった。オリコの暴力団融資問題に取締役会が主体的に取り組まなかったのは、「オリコの問題は第一勧銀出身者が処理すべきだ」と行内では考えられていたからだ。昨年10月末の社内処分で第一勧銀出身の塚本氏がみずほ銀の会長を辞任したことで、幕引きが済んだと佐藤現頭取は判断していた。

 こうして批判が集まる中で、佐藤氏はFG社長とみずほ銀頭取は続投する。金融庁が再検査に入ったとき、「両ポストを兼務する佐藤は、どちらかの椅子を降りなければ収拾がつかないだろう」と見る向きが多かったが、辞任したのはFG会長の塚本氏だけ。いきおい佐藤氏の進退問題が焦点となる。

●トップ人事めぐり、みずほ銀内にくすぶる動き

 佐藤頭取は旧日本興業銀行に入行。早くから将来の頭取候補と目され、09年に齋藤宏(旧興銀出身、現FG名誉顧問)の後任として、旧みずほコーポレート銀行頭取に就任した。東日本大震災直後に起こった旧みずほ銀行による大規模システム障害の責任を取り塚本氏がFG社長(当時)を11年6月に退いた後、FG社長に納まった。

BusinessJournal編集部

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