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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第18回

高額コラーゲン商品の嘘~サプリは老化防止効果なし、化粧水で肌に雑菌繁殖

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「Thinkstock」より
 サプリメントや化粧品のテレビCMでは、しきりに「コラーゲンは体に良い」「コラーゲン不足は良くない」などと、繰り返し伝えられています。

 今回は、このコラーゲンというものがなんなのか? 本当に体に良いのか? この際ハッキリさせたいと思います。

「コラーゲンは皮膚や体をつくっている成分で、年を取ると失われていくもの」

 確かにCMなどで盛んに流されているこの話は本当です。新しい皮膚を生み出し、皮膚の弾力やハリの元になる真皮層でのコラーゲンやエラスチンの減少は、肌の老化の主たる原因です。それどころかコラーゲンは、体のさまざまな臓器や血管、そして骨の丈夫さにも深くかかわっており、我々の人体には欠かせない成分です。これは医学の教科書にも書かれていることで、なんら嘘偽りのない話です。

 しかし、コラーゲンのサプリを摂取すれば肌の老化防止などに効果があると考えるのは、大間違いです。

 これは薄毛の人が他人の毛を食べても毛が生えないのと同じです。中学の理科などで、人間は、食べた物を一旦消化して、バラバラの栄養素として吸収し、それを基に体を維持したり、成長したりするのに使うと習った通りです。食べた物がそのまま体に現れるわけではありません。

●コラーゲンとゼラチンは同じもの

 しかも困ったことに、人間の肌や骨にあるコラーゲンと、サプリなどで売られているものはまったくの別物です。人間のコラーゲンは、人間の体内で線維芽細胞が生み出したものです。サプリなどは、精肉工程で出る豚や牛の骨や、缶詰の製造工程で出る魚の鱗や皮から抽出精製した、コラーゲンの線維がねじれてまばらに切れた状態の「変成コラーゲン」と呼ばれるものです。それぞれの原材料によって、コラーゲンとしての性質も大きく違います。

 つまり、コラーゲンと呼ばれて市販されているのは、牛、豚、魚由来のもので、要するにゼリーの材料であるゼラチンです。スーパーでもお菓子コーナーで普通に売られているゼラチンが、名前をコラーゲンと変えて売られているにすぎません。

 試しに通販サイトなどで「ゼラチン 1kg」と検索すると、だいたい2500〜3500円程度で、さまざまな料理用のゼラチンを見つけることができます。しかし、「コラーゲン 1kg」と検索すると、先ほどと同じものが数千円から高い場合には2万円近い値段で売られています。

 念のため製造あ元を見ると、料理用のゼラチンとまったく同じものまで存在します。また、サプリメントメーカーが単純にゼラチンを転売しているだけというものも多く見られます。

 また、加工して「コラーゲンゼリー」として販売している通販サイトもあります。これは、「頭痛が痛い」と同レベルのネーミングで、もはや笑うしかありません。

 ゼリーにすると、水を足すことで量を増やして販売できるので、コラーゲン商品は原末よりゼリー商品が多く出回っています。

 ついでに肌に塗るコラーゲン(ゼラチン)にも言及しておきましょう。

 ゼラチンは動物由来のタンパク質であり、肌にゼリーを塗ったからといって、ゼラチンが肌に浸透することはありません。先述したように、ゼラチンは変成コラーゲンですし、人間のものですらないので、万一肌の中に浸透したとしても、なんの効果もないどころか免疫で拒絶されるべきものです。

 もちろん、肌から吸収されるということは100%あり得ません。もしそんなものが浸透するような構造の肌であれば、お風呂に浸かっただけで体が数倍の体積に水ぶくれしてしまいます。

 むしろ怖いのは、ゼラチンの溶けた液体は、雑菌にとって極めてありがたい栄養源であるということです。肌の上にゼラチンを乗せれば、最適な雑菌の繁殖場になります。ゆえに化粧品メーカー各社、防腐剤をたっぷり入れたりしているのですが、コラーゲン化粧水が原因で数々の皮膚炎が報告されており、皮膚科医も警鐘を鳴らしています。

 コラーゲン化粧品は笑って見過ごせない商品の1つです。