インターネット生命保険最大手・ライフネット生命の調査によると(調査対象:20〜30代男女、有効回答数:1000)、「消費増税に向けて、家計をやりくりして今より月にいくら浮かしたいか?」との質問に対する回答は次の通りとなった。
・9999円以下:45.1%
・1万〜1万9999円:36.7%
・2万円以上:18.2%
全体での平均金額は1万76円となっており、節約意識の高まりが実感される結果となった。総務省が実施する「1世帯当たり1か月間の支出調査」(2013年12月)によれば、1世帯当たりの平均支出金額はおよそ 37万1000円。増税金額程度は節約しなければ、という気持ちの表れだろう。
では、人々はいったい家計のどこを切り詰めるのだろうか?「消費増税前までに見直して節約できる(削れる)と思うもの」を問う質問に対し、68.8%の人が「外食・飲み会費」と回答。続いて、「旅行などの娯楽費」:47.0%、「家庭の食費」:46.2%、「水道光熱費」:35.8%、「携帯などの通信費」:29.9%という結果となった(複数回答可)。加えて、節約する費目としては、交際費や、娯楽費、食費などが対象に。一方で、「家賃」(3.4%)などの固定費や、「子どもの教育費」(2.3%)といった子どもに対する投資には節約意識が薄い様子も見られる。
●外食や外出を控える傾向強まる
さらに、「消費税8%への増税決定後に始めた、節約や見直し」を聞く質問では、「飲み会を月1回に削る」(20代男性)、「外食を控えて自炊を増やす」(20代女性)といった外食費の削減や、「休日はなるべく家で過ごす」(40代男性)、「休日にあまり外出しなくなった」(40代女性)と早くも余暇の見直しを実践している様子が見られている。また、光熱費の節約方法としては「電球をLEDとした」(50代男性)という節約方法から、「トイレに使う水を風呂の残り湯でカバー」(50代男性)と、涙ぐましいまでの努力をしている声もあった。
一方、「あらゆる工夫で節約しています。これ以上はどうしようもない」(50代女性)、「以前から水道光熱費や食費は気をつけているので削りようがない」(40代女性)と、悲鳴にも似た意見も寄せられている。
消費増税によって、最も懸念されるのは景気の腰折れ。政府は大型景気対策によってこれを回避すると明言しているものの、今回のリサーチの結果を見ると、特に外食産業や観光、レジャー産業などで売り上げ減などの事態が起こる可能性もある。
まだ回復の入り口に立ったばかりの日本経済に対し、消費増税がどのような影響を与えるのか。予断を許さない状況が続く。
(文=加茂萩太)