ビジネスシーンにおいて正しい敬語を使えることは必須。でも、敬語に対して苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。
『大人の日本語マナー』(洋泉社/刊)では、いまさら人に聞けないけれど、意外に見落としがちな敬語の基本を丁寧に解説するムック本。
今回は本書から抜粋して、間違いやすいビジネス敬語を3つ紹介します。どこが間違っているのか考えてみてください。
■「○○さんのおっしゃられたように~」
相手を尊重するためとはいえ、一つの言葉に敬語を二つ以上重ねるのはマナー違反。「おっしゃる」は「言う」の尊敬語ですが、これに尊敬を表す「れる」をつけて「おっしゃられる」とするのは間違いです。ただし、例外として「お召し上がりになる」は慣習として使われているのでOKとなります。
【正解】「○○さんのおっしゃったように~」
■「今月より値上げさせていただいております」
「させていただきます」の乱用には要注意。「させていただきます」は、基本的には「自分のすることが相手に良い影響を与えるとき」「相手の許可が必要なとき」でのみ使える表現です。
上の例のように、「別に頼んだわけではないのに……」という場面で使うと、相手に悪い印象を与えてしまうことも。
【正解】「今月より値上げしております」
■「○○部長のお話、大変参考になりました!」
ビジネスパーソンの生命線ともいえる「接待」。接待の場で犯しがちなのが、相手を持ち上げるための「褒め言葉」のミスです。
「参考」という言葉は、「自分の考えを決める際の足しにする」という意味。人によっては「自分の話を、ほんの参考程度にしか思っていないのか」と不愉快に感じさせてしまう可能性も。
相手をねぎらうニュアンスのある言葉は使わないほうが賢明です。
【正解】「○○部長のお話、大変勉強になりました!」
使えるようでいてなかなか使いこなせないのが敬語。でも、敬語を正しく使うことができれば、仕事にもより磨きがかかるはず。
就職活動中でこれから社会に出る人はもとより、社会人として活躍中の人も、本書をぜひ参考にしてみてください。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。