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小川浩のNew Vision(5月29日)

中高年はもはや老害…年功序列的な世界が完全に破壊される時代がくると断言する理由

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『エンダーのゲーム』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)

 ウェブ、IT業界に精通し、数多くのビジネスの立ち上げを知るリボルバー代表取締役CEOでシリアルアントレプレナーの小川浩氏。先見の明を持つと各界から注目される小川氏がIT、ベンチャー、そしてビジネスの新しい時代を独自の切り口で解説する。

『エンダーのゲーム』(ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)という映画を観た。

 筆者は、年間100本は映画(主にDVD)を観る。読書における乱読と同じで、あまりジャンルにこだわらずに観る。ホラーや芸術寄りすぎる作品は外すし、邦画はあまり観ないが、それでもランダムにかなり広範囲に観るようにしている。その中には、たいていの人が知っている話題作もあるし、マニアックなインディーズ映画もある。『エンダーのゲーム』はハリソン・フォード出演というフックでテレビCMが放送されていたので、ヒットはしていないものの、比較的メジャーな作品といえるだろう。

 ストーリーは単純だ。50年前に異星人からの侵略を受けた地球が、再び接近してくる異星人への対抗手段として、頭脳優秀な少年少女を鍛えて軍隊をつくり出そうとする。その中でも、残虐さと寛容さの両面を兼ね備えた12歳の少年エンダーは救世主としての才能を見いだされ、総司令官への英才教育を施されることになる、というものだ。

 少年がなぜ戦闘に加われるかというと、未来では戦争に使われるあらゆる武器や機械のオペレーションが、すべてゲームのユーザインターフェース(UI)でコントロールされているからだ。

 この映画には小説の原作があるらしく、その作者が意図するテーマやコンセプトは知らないが、この映画を観た僕が受け止めた、ストーリーの示唆するところは以下のとおりだ。

「年功序列的な世界が完全に破壊される時代がやってくる」

 若いことが最大の資産として受け止められる時代がすぐそこに来ているのだ。

●若さが重用される時代が到来している?

 一般的な企業や古くさい業界では、いまだに経験や就労年数が意味をなす場合が多いが、IT業界ではすでに中高年は老害扱いされる時代が始まっている。スタートアップにおいては、25歳は宝飾品のほうに扱われるが、45歳は廃品扱いだ。元よりスポーツの世界では若さは最大の武器だが、ビジネスの世界においても、それが常識になりつつある。

 複雑系としての過去の世界は、長い修業や多様な経験、先達からのアドバイスなしには理解することも困難だったが、ITによって管理されるようになった新しい世界は、修業も経験もそれほど必要なくなった。比較的シンプルなノウハウを取得さえすれば、脳神経が柔軟で情報を吸収しやすい若者のほうが明らかに戦力になる時代が来ている。

 つまり、『エンダーのゲーム』は、センスがいい若者が台頭する世界の到来を意味している。そして、もはや若者ではない者が生き抜くには、より優れた頭脳を持っていると証明するか、逆に、“時代遅れな経験”を老獪さに変えて戦うかのいずれかを選ぶしかない。自分だけの武器を見つけて一点集中的に磨き上げることができなければ、「用なし」「老害」と笑われて死んでいくだけだ。

 安穏としているサラリーマンの皆さん、少なくともお子さんが大人になる時に備えて、意識改革を今からしたほうがよいですよ。

●小川浩(おがわ・ひろ) 
シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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