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ソフトバンク、JAと実質提携により農協で携帯電話販売か 苦戦の農村部で販促攻勢

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JAビル(「Wikipedia」より/Jo)
 8月、傘下の米携帯電話会社スプリント(同国3位)によるTモバイルUS(同4位)買収を断念したことで、戦略練り直しの途上にあるソフトバンク。国内ではiPhone 6の販売合戦が熱を帯びており、その行方も気になる。
 
 そんな中、携帯電話業界ではほとんどノーマークといっていい企業が、気になるニュースを発表した。その企業とは、仙台市に本社を置く光ディスク製造会社オプトロム(名証セントレックス)。同社は9月16日付ニュースリリースで、「100%子会社である株式会社オプトガイアが、テレコムサービス株式会社と紹介店斡旋契約を締結」したと発表した。業界関係者によると、「これは全国の農協がソフトバンクの携帯電話販売に乗り出すことを意味する」という。
 
 オプトロムの過去のリリースをみてみると、まず4月10日付で「日本の農業を応援するWebサイト『緑と大地の応援隊』を4月末日より配信」すると発表。ちなみに同サイトの最上段にはJAグループの全農のロゴが表示される。次に5月30日には、日本園芸農業協同組合連合会(日園連)との商品取引に関わる基本取引契約の締結を発表。その後も全農・日園連、任天堂と組んで「ニンテンドー3DS」を利用したキャンペーンを行うなど、JAグループとの親密さを深めている。
 
 そして、前述した9月16日付リリースでは「オプトガイアがプロモーション活動を推進している農業関連団体を、紹介店斡旋することにより、紹介手数料を獲得」するとしており、ここでいう農業関連団体とは全農や各地の農協を指すことは間違いない。

「テレコムサービスは光通信のグループ会社で、ソフトバンクの携帯電話の販売最大手。同社の携帯電話はつながりにくさが理由で、農村部では苦戦していた。今後、農家に対する割引サービスなどを導入して、他社の顧客切り崩しにかかるのではないか」(前出の業界関係者)

 それにしても、なぜオプトロムがソフトバンクとJAグループの実質的な大型提携を取り持つ運びとなったのか。オプトロムは14年3月期決算で債務超過に陥り、上場廃止の猶予期間に入っており、身の丈に合わない重役を担わされているようにも受け取れる。もっとも、なんらかの理由でソフトバンクとJAグループが世間の注目を集めずに提携を進めたいという意図があったとするならば、オプトロムはうってつけの存在といえなくもない。果たして今回の提携の背後にはどのような思惑が隠されているのか、そして携帯電話業界に今後どのような影響を及ぼすのか。気になるところである。
(文=編集部)