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プロ野球、優勝チームは首位打者が出にくい?個人タイトルとチーム成績の意外な因果関係

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今年のパリーグ首位打者、糸井嘉男(「Wikipedia」より/Orixbaseballclub)
 プロ野球は今シーズンの全日程が終了し、タイトル獲得選手も確定した。首位打者は、セントラル・リーグがマートン(阪神タイガース)、パシフィック・リーグが糸井嘉男(オリックス・バファローズ)で、ともに初受賞となる。2人の所属チームである阪神、オリックスはペナントレースで優勝争いを演じながら、惜しくも覇権奪取はならなかった。

 以下は、セ・パ両リーグの過去15年(2000年~14年)における、打撃3部門タイトル獲得選手のいるチームの成績だ。

【打撃3部門タイトル獲得選手のいるチームの成績】(延べ人数/優勝回数/2~3位/4~5位/最下位)

首位打者(30人/6回/11回/11回/2回)
本塁打王(34人/8回/13回/6回/7回)
打点王(31人/10回/12回/6回/3回)

 打点を挙げると勝利に直結する可能性が高いためか、打点王を輩出したチームは71%の確率でAクラス(3位以上)になっている。優勝確率も32.3%と打撃3部門の中で最も高い。

 一方で、首位打者の所属チームは6回しか優勝していない。確率に直せば30回中6回の20%と、かなり低い数字になっている。逆にBクラスとなる確率は43.3%と、打撃3部門の中で一番高くなっている。必ずしも強いチームからタイトル獲得選手が出るとはいえないのである。

 特に、打つたびに数字が増える一方の本塁打や打点と比べ、打率が上下する首位打者は優勝争いをしていないチームの選手に分がある、とデータが示している。なぜなら、スランプの時には欠場して打率を下げないようにしたり、ライバル打者に対しては敬遠して打率を上げさせないことも可能だからだ。優勝争いをしているチームでは、このような個人タイトルを優先する作戦を取ることはない。

 また、この15年間では、00年の金城龍彦(横浜ベイスターズ)、04年の嶋重宣(広島東洋カープ)、05年の青木宣親(ヤクルトスワローズ)、12年の角中勝也(千葉ロッテマリーンズ)のように、前年まであまり実績のない選手が首位打者を獲得することが目立っている。これは、若手が台頭する土壌のあるチームであると同時に、制約が少なく自由に打たせた結果と考えることもできるだろう。優勝争いをしていればプレッシャーも大きく、自分を殺したチーム打撃やバントを求められるケースも増えてくるからだ。