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山崎元「耳の痛い話」

転職に、後ろめたさや躊躇はまったく必要ない 転職を考えてよい3つの「場合」

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転職は後ろめたいことではない


「Thinkstock」より
 転職は、そもそも好き嫌いで論じるべきテーマではない。嫌いでも必要な場合があるし、いいと思ってやっても失敗することがある。しかし、「私は転職など考えたこともない」と胸を張る人もいるし、「攻めの転職はいいけれども、今の職場の課題や責任を放棄するような逃げの転職はいけない」といった妙に押し付けがましい持論を展開する人もいて、論者の好き嫌いが表れやすいテーマだ。

 ちなみに、任されたプロジェクトを途中で放棄するようなかたちで部下が転職することは、経営者や上司にとって厄介なリスクで、これを「逃げの転職」だと罵りたい気持ちはわからなくもない。しかし、社員は奴隷ではないのだから、部下の側で気にする必要はない。仕事の引き継ぎ等に誠意と配慮を示すべきだが、転職すること自体を後ろめたく思う必要はまったくない。

 あえて一言付け加えるなら、部下に転職されて大きな仕事が失敗に終わるとすれば、それはプロジェクトのリスク管理を十分できなかった上司や経営者の注意、ないし力量の不足であって、責任は管理者の側にある。

 転職する側にとって、その目的は大きくいうなら人生の時間を有効活用するためであり、自分の人材価値を生かすためだ。現在の職場よりも、その目的を果たすためには新たな職場のほうがいいと結論できるなら、転職を決めることに躊躇はいらない。

転職していい3つの「場合」


「人生の時間」「人材価値」だけでは、いささか抽象的だ。転職を肯定する典型的な状況を3つ挙げてみよう。

 ・第1に、自分の仕事のスキルを高めるために転職したい場合。
 ・第2に、より良い仕事の場を確保するために転職したい場合。
 ・第3番目には、求めるライフスタイルに近づくために転職したい場合。

 自分が転職したいと思う理由が、これら3つのいずれかで説明できるなら、その転職は考えてみる価値がある可能性大といえる。これら以外の理由で転職してもいいが、これら3つのいずれかに当てはまる理由があることが多いはずだ。筆者は過去に12回転職し、結果的な成否はいろいろだが(個人的評価は7勝4敗1引き分けである)、転職した理由はいずれもこれら3つのどれかに当てはまる。

(1)仕事のスキルを高めるための転職


 この理由で転職することが多いのは、年齢的には主に20代だ。年齢が高くなってからでは、仕事のスキルを身につけることに力点を置いた働き方が許されない場合がある。また、スキルは早く身につけるほうが、それを利用できる期間が長い。