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ユニクロの変調 値上げ響き売上減止まらず 「離職率50%企業」払拭に本腰

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ユニクロの店舗(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)
 ユニクロの成長神話は踊り場を迎えたのか――。

 ファーストリテイリングが発表したカジュアル衣料品店ユニクロの7月の国内既存店売上高は、前年同月比1.5%減だった。6月が同11.7%減と大きく落ち込んだため、7月が注目されていた。2012年10月以来、33カ月ぶりとなる2カ月連続のマイナスに沈んだことになる。7月前半は梅雨の影響で夏物全般に販売が苦戦した。

 岡崎健・最高財務責任者(CFO)は14年9月~15年5月期の決算発表の席上、ユニクロの既存店売上高が伸び悩んでいることについて、「ユニクロは生活に浸透している実需品のため、天候不順が減収の一番大きな理由だ」と述べた。

 しかし、天候不順という外部要因だけでユニクロの変調は説明できない。カジュアル衣料品店ファッションセンターしまむらを展開しているしまむらの7月の既存店売上高は、前年同月比3.0%増。「GLOBAL WORK」「LOWRYS FARM」などレディスカジュアルのアダストリアは同9.4%増。「UNITED ARROWS」などセレクトショップのユナイテッドアローズは同1.4%増だった。

 圧倒的な勝ち組だったユニクロが独り負けの状況に陥った主たる原因は、価格政策にある。円安による原価高をカバーするため、昨年の秋冬商品を平均5%値上げした。今年は平均で10%の値上げに拡大する。2年連続の値上げになる。

 昨年の値上げ後、客数は前年割れになる月が増えた。値上げによる客単価増で客数減を補い、既存店の売り上げを維持するというソロバンを弾いた。だが、2カ月連続の既存店売り上げの前年実績割れは、客単価が落ちてきたため、ユニクロが描いた勝利の方程式が効かなくなったことを意味する。ユニクロの最大の武器は低価格だったが、値上げで魅力が薄れた。

 今年も秋冬商品を2年連続で値上げする。さらに客数が減少し、既存店の前年割れが続くのは避けられない状況だ。

 創業以来、初めてとなる連続値上げで正面突破を図ろうとしたわけだが、勝ち組アパレルの象徴だったユニクロは戦略の転換を余儀なくされた。

 8月から値上げした秋冬商品が本格的に店頭に並び始めた。8月の既存店売り上げがどうなるかに流通業界は注目している。

【ユニクロの既存店売上高、客数、客単価の前年同月比推移】(単位:%)

※以下、15年3月、4月、5月、6月、7月
                
売上高:▲3.0、19.3、12.3、▲11.7、▲1.5
客数:▲10.5 、6.7、2.8、▲14.6、▲6.1
客単価:8.4、11.8、9.3、3.4、4.9
(資料:ファストリ月次営業情報。▲は前年同月比マイナス)