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ユニクロの変調 値上げ響き売上減止まらず 「離職率50%企業」払拭に本腰

文=編集部
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セブン&アイHDとの業務提携

 ファストリはコンビニエンスストア最大手セブンイレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングス(HD)と業務提携に向けて交渉している。通信販売で扱う衣料品の新ブランドを年内に立ち上げるほか、ファストリの店舗で販売されている商品をセブンの店舗で受け取れるようにする。

 セブン&アイHDは実店舗とインターネットを融合するオムニチャネルを今年10月から本格的に始める。1000億円を投じてシステムを整備した。傘下のセブンやスーパーのイトーヨーカドー、百貨店のそごう・西武などの商品をネットで注文し、セブンの店頭や自宅で受け取れるようになる。セブン&アイHDはオムニチャネルを次の10年の成長戦略の中核に位置づけており、オムニチャネルで売上高1兆円の目標を掲げる。

 一方のユニクロは、東レと組んだヒートテックを商品化するなど、他社とのコラボレーションなどでヒット商品を生み出してきた。だが、既存店は2カ月連続でマイナス成長となり、リアル店舗に依存したビジネスモデルに限界が見えてきた。

 日の出の勢いで成長を遂げているネット販売でユニクロは出遅れた。ネット販売への進出は喫緊の経営課題となっていた。セブン&アイHDとの業務提携をテコに、ユニクロのビジネスモデルは店舗とネットの2本立てになる。

週休3日制導入

 ファストリは10月から社員の希望に応じて週休3日制を選べるようにする。原則として、客の多い土日を含む週4日働き、休みは平日に3日とする。出勤日の労働時間を1日8時間から10時間に延長するため、週あたりの労働時間は変わらず、給与水準も同じだ。

 まず特定の地域で働く地域正社員の約1万人を対象に、2000人ほどが週3日制を選択するとみている。地域正社員は現在の1万人から1万6000人に増やす計画だ。「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/13年3月9日号)は、ファストリの3年内離職率の数字を次のように報じた。

「07年新卒入社社員の37.9%が入社3年以内に離職。08年入社46.3%、09年入社53.0%、10年入社47.4%、11年入社が2年間で41.6%」
「12年8月期にはユニクロの店舗の正社員の休業者のうち42.9%がうつ病などの精神疾患」

 こうした報道や告発を受け、ファストリの職場環境は劣悪と見なされ、いわゆる「ブラック企業」との批判を受けて人手不足が顕著になった。国内のファストリの従業員はパートやアルバイトも含めて約5万人。景気回復により人出不足が叫ばれる中、「週休3日制」という大胆な人事政策によって、人材の獲得と流出阻止を狙う。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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