蛭子能収&太川陽介のコンビと女性ゲストで旅をする『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系列)で人気を博し、テレビやラジオに引っ張りだこの蛭子能収さん。著書『ひとりぼっちを笑うな』は14刷8万部を突破し、本業の漫画の単行本より売れてしまっているという。そして、最新刊である今回のテーマは孔子の『論語』だ。
『蛭子の論語』(蛭子能収/著、KADOKAWA/刊)では、『論語』に載っている代表的なエピソードをピックアップして、それに対する蛭子氏の感想をつづっていく。
○「子曰く、学びて時に之を習う。亦説ばしからずや。朋遠方より来たる有り。亦楽しからずや。人知らずして慍らず。亦君子らずやと」
(学而第一 一)
本書編集部訳では、「学習して知識がつくのは嬉しいことだ。友が遠方より訪ねてきてくれるのは楽しいことだ。そして、世の中が自分を評価しなくても怒ったり怨んだりしない。それが君子たるものだ」とある。
『論語』は上記の項目から始まり、「学び」「人間関係」「君子としての在り方」といった『論語』の主軸が盛り込まれている。これに対し、蛭子氏は、「誰かが家に訪ねてくることは僕にとって全然楽しいことじゃない。」など、3つのポイントを蛭子氏なりに感想を書いているが、この3つのポイントよりも大事な信条があるという。
それは、「自由」「尊重」「死なない」の3つだ。
蛭子氏にとって、いちばん大事な信条は「自由」であること。人に気兼ねすることなく、自分のやりたいことをやりたい。だから、自分の人生が自由であるためにどうすればいいのかをいつも考えて行動しているのだと述べる。
そして、自分が自由であるためには、他人の自由も同じように尊重しなくてはならない。だから、人に気兼ねするのが嫌だと言っても、他人の自由を侵さないよう考えを忖度したり、相手の気持ちを慮ったりする必要がある。
3つ目の信条は、死なないこと。突然誰かに殺されたりされないように、なるべく他人の恨みを買わないように用心する。できるだけ目立たないようにすることも重要。「死なないためには、周囲の人間とどう接していくのがいいんだろう? と、子どもの頃からずっとそう思い続けているのだという。
本書の編集者から『論語』と聞いて、その難しそうな名前だけでアレルギー反応を起こしそうと言いながらも、蛭子氏の持論をしっかりと語っている。共感できる人もたくさんいるはずだ。
(新刊JP編集部)
関連記事
・「もう漫画家はやめてもいいかな」――蛭子能収“ひとりぼっち”哲学に迫る
・とても奥深い“蛭子能収の哲学”
・森博嗣がつづる“孤独であることの大切さ”
・「伝え下手」はコミュ力でなく○○を変えろ
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。