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山口健太「IT業界最前線」

瀕死の日本PCブランド、世界から消滅の危機…東芝失墜で業界大再編最終章か

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IFA 2015の東芝ブースでは歴代の東芝製PCが展示された
 2015年も残すところわずかとなった12月、PC業界再編の動きが慌ただしい。21日には東芝がPC事業の子会社化を含む構造改革を発表、24日には富士通も子会社化の詳細を発表した。12月初頭に日本経済新聞や読売新聞が相次いで報じた「富士通・東芝・VAIO」のPC事業統合は各社が否定したものの、着々と歩を進めていることがうかがえる。


 果たして16年、PC業界に大規模再編の波はやってくるのか。これまでの動きを中心に振り返ってみたい。

PC業界で話題になってきた「ソニーの次は?」


 総合家電メーカーとして知られる東芝は、PC業界において最古参の存在でもある。1985年に欧州で世界初のラップトップ型PC「T1100」を発売して以来、国内外で高い認知度を誇ってきた。その勢いは現在も続いており、「Windows 10発売後の1週間で北米で最も売れたPCは東芝製だ」と米マイクロソフトは語る。

 だが、PC市場は縮小の一途をたどっている。米調査会社のIDCが12月4日に公開したデータでは、2015年第4四半期の世界PC出荷台数は前年比10%減。15年通期では10.3%減となり、頼みの綱だったWindows 10の投入も効果は薄かった。

 特にコンシューマー向けPCの落ち込みは大きい。その背景にはスマートフォン(スマホ)やタブレットの普及、Windows 8の失敗、PCの性能向上による買い替えサイクルの長期化など、さまざまな要因がある。その中で14年、大きな決断を下したのがVAIO事業を売却したソニーだ。

 この「VAIOショック」のあと、次に脱落するのはどのメーカーか、PC業界で話題になってきた。国内最大手のNECは、PC市場で世界最大シェアを持つレノボと組んでおり安泰だ。続く国内シェアを持つ富士通や東芝は、コンシューマー向け中心だったソニーとは異なり、国内の法人市場に強い。その基盤は盤石とみられてきた。

 事態が急変したのが、15年5月の東芝による不正会計問題の発覚だ。同社はPC事業についても利益水増しを行っていたことが明らかになり、室町正志社長はPC事業の構造改革に言及。法人ユーザーから不安の声も上がり始めるなか、12月21日にはついにPC事業の子会社化を含む、構造改革プランを発表した。

東芝のPC事業は規模縮小


 東芝が新たに打ち出したPC事業の方向性は、どのようなものだろうか。最初に出てくるのが「B2B(法人向けビジネス)重視」だ。これは14年以降、東芝が打ち出してきた路線を踏襲したものであり、今後も定期的な買い替え需要が期待できる法人市場を狙った動きだ。一方、B2C(個人向けビジネス)については国内市場を主軸にするとしており、海外向けは縮小することになりそうだ。