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サントリーを蝕む危機 セブン&アイのサントリー切り、経営陣の方針分裂、巨額借金

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サントリーホールディングス本社(「Wikipedia」より/663highland)

 サントリーホールディングス(HD)は2016年4月に新経営体制がスタートする。創業一族の御曹司で飲料子会社サントリー食品インターナショナル社長の鳥井信宏氏が経営中枢に入る。3月下旬に開催される株主総会を経て代表権のある副社長に就任する予定で、中長期戦略を担当するほか酒類や飲料などの国内事業を統括する。これによりサントリーHDは、会長の佐治信忠氏、社長の新浪剛史氏、副社長の信宏氏のトロイカ体制に移行することになる。

 サントリーHD(創業時は寿屋)は故鳥井信治郎氏が創業した。信宏氏は鳥井家の4代目に当たる。信治郎氏の長男吉太郎氏(元寿屋副社長)が若くして亡くなったため、養子に出ていた故佐治敬三氏が2代目社長になり、ビール事業に参入。同社を総合飲料メーカーに育て上げた。

 会長の信忠氏は敬三氏の長男で、信宏氏の父・信一郎氏とは従兄弟に当たる。「ポスト信忠」は信宏氏と見られていたが、信忠氏は14年に“プロ経営者”の新浪氏を招聘。新浪氏はローソン会長から、創業家以外で初めてサントリーHDの社長に就いた。

 信宏氏がサントリーHDの副社長に就く人事は、「ポスト新浪」の布石であることはいうまでもない。数年後には、“大政奉還”されることになるとの見方が強い。

キリン、アサヒに大差をつけて国内トップに

 新浪氏に与えられたミッションは、「20年に売上高4兆円」(信忠氏)を達成することだ。

 15年12月期の連結決算の売上高は、前期比8%増の2兆6500億円、純利益は30%増の500億円の見込み。キリンHDの15年同期の売上高は、横ばいの2兆2000億円、最終損益は、買収したブラジルキリン(旧スキンカリオール)の減損損失が響き560億円の赤字に転落する。アサヒグループHDの15年12月期の売上高は4%増の1兆8000億円、純利益は8%増の750億円の見込みだ。

 サントリーHDは14年、1兆6000億円を投じて米蒸留酒大手ビーム(現ビームサントリー)を買収し、海外事業が拡大した。海外の売り上げ増が寄与して、キリンHD、アサヒグループHDに売り上げで大差をつけ、飲料業界のトップに立った。

 2.6兆円の売上高を5年間で4兆円に引き上げる。その切り札として、信忠氏は海外での大型M&A(合併・買収)を考えているようだが、新浪氏は果たしてどう動くのか。