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セブン&アイの天皇・鈴木敏文会長の失脚…世襲画策が失敗、クーデターで経営混乱状態

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イトーヨーカドー店舗(「Wikipedia」より/ITA-ATU)
 セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者、83)は、グループの全役職から退き、引退を決意した。4月7日午後、東京都内で記者会見するした。


 セブン&アイHDは4月7日午前に開いた取締役会で、コンビニエンスストア事業を手掛ける中核子会社セブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼COO(最高執行責任者)を交代させる人事案を否決した。社外取締役を中心に複数の取締役が反対した。票決は人事案に賛成7、反対6、棄権2だった。過半の賛成を得られず人事案は否決された。

「持ち株会社と傘下の上場企業の経営権を一手に握り、権力を過度に集中させてきた鈴木氏が社内の権力闘争で敗れた」(業界筋)

 自分が提出した人事案が否決されたことで、全役職を辞任し、鈴木氏は全役職を辞任するかたちで「けじめ」をつけることにしたわけだ。

 セブン&アイHDの村田紀敏社長は鈴木氏の辞任表明会見に同席していたが、本人の去就については何も伝えられていない。村田氏は「創業家の伊藤雅俊名誉会長が人事案に同意しなかったこと」を明らかにした。社外取締役だけでなく創業家が鈴木氏の暴走を許さなかったということである。

「流通の神様」「セブン&アイの天皇」と評価され、セブン&アイHDを一大流通グループに成長させた鈴木氏の時代が終焉する。今回の突然の鈴木氏引退劇の裏側では、いったい何が起こっていたのだろうか――。

強権


「鈴木氏が息子を社長にするために、強権をふるい始めた」(業界筋)

 セブン&アイHDは4月6日、鈴木氏の意向に基づきセブン-イレブンの井阪社長を退任させる人事案を固めた。後任は古屋一樹取締役執行役員副社長。古屋氏は66歳で井阪社長より8歳も年上で、若返りに逆行する。井阪氏はセブン&アイHDの取締役も退任する方向とされていた。

 井阪氏の首を切る人事は4月7日の取締役会に諮(はか)られることになったが、この人事案に社外取締役2人が反対しているという情報が駆けめぐった。セブン&アイHDは3月に導入した指名・報酬委員会にこの人事案を提示。長時間協議されたが、意見が割れたまま7日の取締役会に突入した。

 指名・報酬委員会の委員長は伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授。もう1人の社外取締役は米村敏朗・元警視総監。2人とも鈴木氏の人事案に反対した。同委員会の会社側のメンバーは鈴木氏とセブン&アイHDの村田紀敏社長。結局、2対2となった。伊藤氏と米村氏は「セブン-イレブンは好業績が続いている」として、この社長交代に反対の立場だ。セブン-イレブンはセブン&アイHDの利益の70%以上を稼いでいる。「井阪社長を辞めさせるのには無理がある」と社外取締役は判断した。