総務省が行った家計消費状況調査によると、2人以上の世帯のインターネットを利用した月ごとの支出額は2016年2月時点で2万8104円となっており、約4年前の12年3月時の2万4423円から比べても右肩上がりだ。このように、近年のネット通販利用者が増加の一途を辿るのに伴い、運輸会社が扱う荷物の量も増大。そのしわ寄せはドライバーや仕分けスタッフが働く現場に向かっている。
大手運輸業は、全国各地に物流の起点となる営業所や集配所、サービスセンターを持っているが、深夜に荷物を搬入・搬出するケースも多く、当然ながら人員もこの時間帯に配備される。そして長時間、重い荷物を延々と運ばされるため、就業者には大きな負担となっているようだ。大手運輸会社の深夜勤務経験のある派遣労働者は、次のように打ち明ける。
「12時間ほとんど立ちっぱなしで荷物を仕分け続けなくてはならず、社員のドライバーにも怒鳴られ、本当に辛い仕事。オススメはしない」
「とにかく苛酷。深夜の仕分けはバイト中心だけど、すぐにみんな辞めてしまう。給料も安いし、当然だと思う」
こうした声からは、一部の運輸会社の末端スタッフが過酷な労働を強いられている実態が伺えるが、さらに迷惑しているのが、それら営業所や集配所、サービスセンターの近隣住民である。
深夜の騒音に近隣住民激怒
大手運輸会社、佐川急便の深夜稼働について、都内在住の30代男性は語る。
「私の家の近くに佐川急便のサービスセンターがあるのですが、夜中でも作業をしていて非常にうるさいです。時間は日によってまちまちですが、深夜の2時や5時のときもあります。一度うるさくなり始めたら1時間は止まりません。カートをガシャガシャと動かす音や配達の車のドアを何度も開け閉めする音、大声で話すなど、常識では考えられない騒音です。それが一晩に一度ではなく、何度かに分けて行われます。二度ほど静かにしてくれるようお願いしましたが、一向に改善されません。佐川急便はいったいどういうつもりなのでしょうか」
また、別の30代男性もこう憤慨する。
「仕分けのときにダンボールを投げているのか、建物自体が揺れてビックリします。深夜にそれをやられて飛び起きたこともありました」