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JR九州の「祟り」…ななつ星が話題でも鉄道事業赤字を国の金で補填、上場強行に重大懸念

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JR九州の「ななつ星in九州」(「Wikipedia」より/Rsa)

 九州旅客鉄道(JR九州)は5月7日、熊本地震の影響で運転を見合わせていた豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」の運転を再開した。

 これまで「1泊2日コース」は、2日目に鳥栖から鹿児島本線・豊肥本線・久大本線を経由し、阿蘇や由布院を観光して博多に戻ってくるルートで運転していた。豊肥線が不通になったため、5月7日出発分からは、鳥栖から鹿児島本線・久大本線を経由して由布院に向かい、観光後に博多に折り返す。

「3泊4日コース」は、3日目に鹿児島中央駅から熊本へ向かい、4日目に豊肥本線・久大本線を経由して博多に戻ることになっていたが、3日目は鹿児島を観光し、4日目には熊本から鹿児島本線を経由して博多に到着するかたちに変更した。

 ななつ星は、アジアのインバウンド需要を取り込む九州観光のシンボルだった。

 JR九州は5月27日、ななつ星の第9期(2016年10月~17年2月出発分)の予約受付の結果を発表した。合計196部屋の申込件数は4736件で平均倍率は24.1倍。このうち海外からは、22の国と地域から165件の申し込みがあった。

 最も人気が高かったのは16年10月21日に出発する3泊4日の「DXスイートA」で倍率は185倍。「DXスイートA」は1つだけの最上級の部屋で、展望室の構造になっている。2名1室利用で1人当たり85万円。熊本地震の影響が懸念されたが、予約が順調だったことでJR九州は胸をなで下ろしたことだろう。

熊本地震の被害は175億円

 九州新幹線は7月4日から本数を通常に戻す。熊本地震の影響で4月14日夜から運転を見合わせた。4月27日に全線で再開したが、本数を減らし一部区間で徐行運転。博多-鹿児島中央駅間は普段より平均28分余計に時間がかかっていた。7月にようやく平常の運行に戻る。

 JR東日本は首都圏の鉄道網、JR東海は東海道新幹線、JR西日本は山陽新幹線というドル箱を持つが、JR九州は何もなかった。九州新幹線の開通で、やっと新幹線組の仲間入りを果たしたことで株式の上場を決意した。

 新幹線効果は大きかった。16年3月期の新幹線の運賃収入は前期比4.7%増の516億円。鉄道運賃収入の34.3%と3分の1強を占めた。

 九州新幹線は過去にも地震に祟られている。全線開業を翌日に控えた11年3月11日には、東日本大震災が発生。開業を祝うあらゆる記念式典を中止した。そして今年、株式上場に向けて走りだした直後に熊本地震が発生した。