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伊藤忠、不正会計疑惑に異例の大反論…情報流布の米ファンドへ「法的措置を検討」

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伊藤忠本社(撮影=編集部)

 東京株式市場が新しい時代を迎えた。米空売りファンド、グラウカス・リサーチ・グループが7月27日、市場が開く前に伊藤忠商事株を「強い売り推奨」するリポートを公表。目標株価を631円とした。リポートが出る前(7月26日)の株価は1262円であり、同社株は半値に暴落するという衝撃的な内容だ。「伊藤忠の記録的な利益は幻影にすぎない」とまで言い切った。

 グラウカスは上場企業の不正に関する独自の見解を提示し、空売りすることで知られているが、このリポートを受けて伊藤忠の株は大きく売られた。27日の午前中に一時、前日比126円50銭(10.0%)安の1135円50銭まで下げ、年初来の安値を更新した。その後は下げ渋り、終値は79円50銭(6.3%)安の1182円50銭だった。短期筋の売りが膨らんだため、出来高は4162万株(前日は625万株)と6.6倍、売買代金は489億円。データが残る1997年以降で最高額となった。東証1部の売買代金では、任天堂、トヨタ自動車に次いで3位。

 グラウカスは日本企業に襲い掛かると予告していたが、伊藤忠にとっては寝耳に水のプチ・パニックとなった。

「グラウカスが数カ月前から日本企業の調査をはじめ、3~4銘柄に絞り込んでいるとの情報が流れていた。時価総額の大きい企業で、会計上の減損処理が不十分なところに目をつけて餌食にするとみられていた。具体的には、総合商社やメガバンク、小が大を飲み込むかたちで欧州の企業を買収したメーカーなどの名前が取り沙汰されていた」(市場筋)

 グラウカスはリポートで「弊社は伊藤忠に空売りポジションを保有しており、同社の株価が下落すれば相当の利益が実現する立場にある」と明らかにしている。44ページにわたる日本語のリポートの免責事項には、「直接的または間接的な空売りポジションを有している」と書いてある。

 空売りとは、証券会社から株を借りて売る手法。株価が下がったところで買い戻して儲ける。

「外資系証券会社が貸株をしているのではないか。リポートを出した初日に、伊藤忠株は一時10%下がった。仮にここで買い戻したとしても、『相当な利益』が実現したかどうかは不明だ」(市場筋)

 グラウカスのリポートが出てから伊藤忠の目標株価を下方修正した証券会社は2社。ゴールドマン・サックス証券が1500円から1150円に引き下げた。JPモルガン証券は1650円から1530円とした。いずれにしてもグラウカスの主張する631円の2.4倍~1.8倍の目標株価である。