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そこまでやるかトヨタ!新興国を席巻する破天荒な新車、徹底した現地化の神髄

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岡部聰氏。現在は、豊富な海外勤務の経験を活かし、各地で講演会を精力的に行っている

 大きな成長が見込める一方、ほかの先進国とは商売の勝手が違うといわれる新興国でのビジネス。グローバル企業では新興国の開拓は、今後さらに重大なミッションになるはずだ。そんな新興国ビジネスを成功させるにはどんな人材が必要なのか。その答えを誰よりも知っているのが、トヨタ自動車元専務の岡部聰(おかべ・あきら)氏だ。

 トヨタといえば、日本を代表するグローバル企業。新車販売台数は4年連続世界一の座を守っている。その成長を牽引してきたのは、ゼロから立ち上げてきた新興国市場といっても過言ではない。

 岡部氏は、トヨタが世界のトップへと成長カーブを描いた時代に新興国展開を率いてきた。40年間で駆け巡った国はアジア、中近東、豪州、中南米、アフリカなど世界七十数カ国に及ぶ。まさに「世界でトヨタを売ってきた」人物だ。

 その岡部氏が7月に著書『世界でトヨタを売ってきた。』(開拓社)を上梓した。同書では、岡部氏が取り組んできたトヨタの海外事業の事例や、現地パートナーとの付き合い方、新興国で成功するポイントなどを惜しげもなく披露している。

 新興国ビジネスを知り尽くした岡部氏に、新興国で活躍できる人、できない人について話をうかがった。

成功の秘訣は“明るく楽しく元気よく”

--新興国ビジネスに取り組む時に、大事なことはなんですか?

『世界でトヨタを売ってきた。』(岡部聰/開拓社)
岡部聰氏(以下、岡部) まずは“明るく楽しく元気よく”をモットーにすることです。日本人が外国人からよく言われる言葉は「何を考えているのかわからない」です。顔の表情はないし、普段はあまり笑わない。ノーとはっきり言わない。これだと相手はよくわかりません。

 異文化と接触するときは、まず相手にストレスを与えないように明るく振る舞うことが大事です。「あいつ、なんだかわからないけれど、一緒にいるとおもしろいぞ」という感じでいいのです。批判ばかりしても誰も寄りつきません。和気藹々と付き合うことが重要なポイントです。暗くて理屈っぽい人は海外では駄目です。相手も一緒に仕事をしたくないと思いますよ。

 中近東を担当したとき、ある国の販売店のオーナーが重要な人物で、気難しいから挨拶に行けと上司から言われました。会ってみるとそのオーナーはほとんど喋らない。名刺交換の後、どうしていいのかわからなくなりました。その時とっさに思いついたのは、面談中に3回笑わせて自分を印象づけようということ。必死にギャグを繰り出したら、その人はついに笑ってくれて、それからずっと仲良く付き合ってくれました。“明るく楽しく元気よく”を心がけることで、交渉もうまくいくのです。