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ファミマ、怒涛の看板掛け換えでセブン逆転目前…「毎日安い」西友、親会社が累積赤字判明

文=編集部
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ファミマ、怒涛の看板掛け換えでセブン逆転目前…「毎日安い」西友、親会社が累積赤字判明の画像1ファミリーマートの店舗(撮影=編集部)

 コンビニエンスストアの陣取り合戦は激しさを増している。

 最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、2018年に沖縄県に出店する。県内の食品会社などと提携して300店の出店を目指す。これでセブンの空白県はなくなる。沖縄にはすでにファミリーマートが300店、ローソンは200店が出店しており、セブンの進出でオーバーストアの懸念が強まっている。地元の小規模な店舗が軒並み淘汰されるという恐怖のシナリオもある。

 9月1日に新発足したユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のファミマとサークルKサンクスの全国の店舗数は1万8200店となり、首位のセブンに肉薄している。18年までに全国6000店のサークルKとサンクスの看板をファミマに掛け換える予定だ。

 それ以前に、10月31日、ファミマが買収した東海地区地盤の中堅コンビニ「ココストア」「エブリワン」が全店舗の営業を終了した。順次ファミマとしてオープンする。

 ファミマグループに2位の座を明け渡したローソンは9月、ローソン・スリーエフをオープンした。神奈川県が地盤のスリーエフの店舗110店のうち90店をローソン・スリーエフに転換する。11月からは広島県が地盤のポプラと新ブランド、ローソン・ポプラを本格的に立ち上げる。

 コンビニ業界は大手3社に集約するかたちで再編が急速に進んでいる。

ウォルマートがファミマを狙う?

 そんなコンビニ業界に関し、世界最大のスーパーチェーン、米ウォルマート・ストアーズの日本法人がコンビニに進出するという情報が駆け巡っている。ファミマやミニストップをターゲットにしているというものだ。

 ウォルマートは02年、大手スーパー西友と提携して日本に進出、05年に西友を子会社にした。09年、日本事業を統括する中間持株会社、ウォルマート・ジャパン・ホールディングス合同会社を設立し、15年11月1日付で株式会社に変更した。

 合同会社は1人で設立でき、役員の任期がない。決算公告が不要で、間接有限責任などのメリットがあり、ベンチャー企業のように小回りが利く経営を行うのに適している。反対に、最大のデメリットは合同会社のままでは株式の公開ができないことだ。ウォルマート・ジャパン・ホールディングスが合同会社から株式会社に変更したのは、M&A(合併・買収)に打って出て株式公開を目指しているからだとの観測がある。

 ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社は、15年12月期の決算公告を開示した。当期利益は8億800万円の赤字、利益剰余金は54億3100万円のマイナス、つまり54億円の累積赤字を抱えているということだ。西友を子会社にしてから“毎日がお買い得”など、ウォルマート流の営業手法で業績回復に努めてきたが、赤字経営から脱し切れていない。

 しかし、固定資産3793億円、株主資本3638億円と厚い。売上高などの損益決算書は開示していない。低迷が続く日本事業の起死回生策としてコンビニへの進出を考えたとしても不思議はない。

 西友とファミマは、もともとセゾングループに属していた兄弟会社だ。両社がタッグを組むという噂が流れる素地はゼロというわけではない。

ウォルマートはネット通販に注力してアマゾンに対抗

 だが、結論からいえば、ウォルマートのコンビニ進出説の信憑性は低い。

 米ウォルマートの16年1月期の売上高は4821億ドル(約58兆8162億円/1ドル122円で換算)。全世界に1万1534店を展開しており、従業員は220万人以上を抱える世界最大の流通企業である。

 その巨人の業績は伸び悩んでいる。アマゾン・ドット・コムなどのインターネット通販の台頭で顧客を奪われたからだ。そこでネット通販を将来の重要事業と位置付け、ネット販売の強化に乗り出した。今年8月、ネット通販ベンチャー、ジェット・ドット・コムを33億ドル(約3400億円)で買収した。

 米国以外でも中国のネット通販2位の京東集団(JDドット・コム)と提携し、同社株を10.8%保有。インド通販最大手、フリップカート・オンライン・サービシズと株式取得に向けて交渉中と報じられている。

 ウォルマートの戦略は鮮明になってきた。新規出店を抑える一方、ネット通販事業を拡充する。

 したがって、ウォルマート・ジャパンがコンビニに進出する可能性は低い。中国やインドのように、日本市場でもネット通販大手に出資してアマゾンに対抗するというのが現実的な選択だろう。

アマゾンはコンビニに進出

 一方、米アマゾン・ドット・コムはコンビニ進出を計画している。10月11日付米ウォール・ストリート・ジャーナルは、アマゾンが食料品販売事業の拡大を狙い、野菜や果物、牛乳、肉などの生鮮食品を販売するための小さな食料品店を開くことを検討していると報じた。生鮮食品を受け取るドライブスルー機能をつけるという。

 アマゾンは、都市部ではすでに物流会社並みの効率的な物流インフラを築いており、これを生かして日本でも生鮮食品の実験店を出すとの見方がある。結果次第で、この実験店がコンビニ網に発展する可能性はある。

 ウォルマート、アマゾンなど、実店舗とネット通販による顧客取り込みの戦いは熾烈なものになってきた。
(文=編集部)

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