フジテレビ系の火曜夜9時枠で、4月11日から小栗旬主演の新連続テレビドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』が放送開始される。同ドラマは、国家に関わる政治的事件やテロなどを捜査する「公安機動捜査隊特捜班」として各分野のスペシャリスト5人が集結し、解決を図るアクションエンターテインメントだ。
主人公・稲見朗(小栗)は、ある任務で心に深い傷を負った元自衛隊隊員の捜査官。そんな稲見とともに、公安部外事課から特捜班に引き抜かれた田丸三郎(西島秀俊)や、取り調べの名手・吉永三成(田中哲司)、匂いが色分けされて見える「共感覚」の持ち主・樫井勇輔(野間口徹)、凄腕の元ハッカー・大山玲(新木優子)というメンバーが事件に挑む。
同ドラマの脚本は、2007年11月~08年1月に岡田准一主演で放送された『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)を手掛けた金城一紀氏によるもの。『SP』は平均視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、08年4月の特別ドラマに至っては21.5%の好成績を叩き出した。
それゆえに期待を寄せられる反面、「『SP』と似てしまうのではないか?」という懸念もある。『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』と『SP 警視庁警備部警護課第四係』、このタイトルを並べてみただけでも不安がよぎる。小栗は14年に『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』(テレビ朝日系)でも金城氏とタッグを組んでいるし、もはや何が何だか状態だ。
もちろん、これで金城氏が過去の作品とはまた一線を画した脚本を見せてくれれば大したものだし、小栗も見事演じ分けてくれるならそれでいい。役者としてさらなる評価を浴びるチャンスなのかもしれない。だが、『SP』や『BORDER』の二番煎じのような内容になれば、「どこかで視たことある」と感じた視聴者が離れてしまい、視聴率的にも苦戦を強いられかねないといえるだろう。
同枠の前クールは元SMAP・草なぎ剛が主演を務めた『嘘の戦争』で、平均視聴率は11.25%だった。一方、小栗は15年に生田斗真とW主演した『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(TBS系)で平均10.4%、14年に単独主演した『信長協奏曲』(フジ系)では12.5%、さらに先ほど挙げた『BORDER』でも12.2%と、視聴率低迷に悩む近年のフジでも2ケタ台を記録している。今作もまずは好発進なるか、楽しみにしたい。
(文=美神サチコ/コラムニスト)