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『母になる』怪演冴えわたる小池栄子、もはや主役…引き裂かれた親子の孤独と葛藤

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母になる』公式サイトより

 沢尻エリカが主演を務める連続テレビドラマ『母になる』(日本テレビ系)が26日に放送され、平均視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)となった。

 3歳のときに息子・広(道枝駿佑)を誘拐され、9年ぶりにその広と再会した結衣(沢尻エリカ)。新たな人生を始めるために、離婚した陽一(藤木直人)と再び一つ屋根の下で暮らし、ギクシャクしながらも広を迎える準備を始める結衣。

 共に暮らす前に、まずは広の誕生日祝いで祖母の里恵(風吹ジュン)や結衣の友人の西原莉沙子と対面する広。人見知りもせず、すぐに皆と打ち解けて携帯ゲームに興じる。

 相変わらず教科書で習ったような受け答えと、つくられた笑顔で結衣と接している広に違和感を抱く莉沙子(板谷由夏)は、「素直過ぎるんじゃない?」と首をかしげる。広の心は7年間育ててくれた門倉麻子(小池栄子)にあり、新しい母が現れたときの接し方や新しい環境での処世術も、門倉からの教えを守っているにすぎなかった。

 いよいよ施設を出て結衣と陽一と一緒に暮らしはじめた広だが、スマートフォンで新生活の写真を撮っては隠れて門倉に報告をしていた。結衣と陽一も、離婚していた事実を隠して仲の良い夫婦を演じているがうまくいかない。そんな空気に疲れた結衣は、広に本当のことを話す。すると広も門倉に写真を送っていたことを話し始める。互いの嘘を告白して、一歩近づいた結衣と広。しかし心の触れ合いは束の間で、突然門倉が現れる。

 淡々と広との出会いを話し、淡々と謝罪をする門倉。広と対面しても、「あなたとはもう会わない」と告げて去っていくのみだった。なんともない素振りをしていた広だったが、溢れる思いを抑えきれずに門倉を追って走り出す。しかし、強い態度で広を突き放す門倉。「ママはもう疲れた。あなたを施設に捨てたママのことなんてもう忘れて」と言い放ってその場を離れる。が、一人になると涙を流しながら携帯に残された広の写真を1枚1枚削除し、なんとか決別をしようと門倉ももがいていた。

小池の演技


 板谷由夏、小池栄子、藤木直人の演技が良い。沢尻エリカと道枝駿佑の演技くさい演技を周りの俳優陣が中和してくれている。特に板谷の化粧気のない自然な演技をみていると、本人の人間性が滲み出ていて「こんな人がそばにいたら、安心できるだろうな」と感じさせてくれる。とても魅力的だ。

 ただ、作品の設定が非常に難しい分、重くなり過ぎないようにとの計算からか、作品の色が明確にわからないのがもったいない。わざとらしい軽いシーンに白けてしまうのだ。22時の枠だし、莉沙子が心をほぐしてくれる役割をしっかりと担ってくれているので、全体的にはもっと重くしたほうが刺さるものが多い気がするのは少数派だろうか。

 もう一つ印象に残ったのは、門倉を演じる小池栄子の回想シーン。幼い広を笑顔で抱きしめる姿には、孤独に押しつぶされそうな人間が愛しい者を手に入れた心の安息が良く表現されていた。結衣と広も他人によって引き裂かれた親子だが、門倉と広もまた運命によって引き裂かれた親子である。

 この先、どちらの親子が気になるかといえば、門倉と広のほうというのが正直なところ。門倉の闇や、もはや主役ともいえるほどの存在感を持ち出した小池の演技をもっと見たいと思ってしまう。脚本的な部分も大きいが、沢尻と道枝にももっとがんばってほしい。
(文=西聡美/ライター)

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