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加計問題、文科省の不可解な矛盾…大量の大学新設で業界不況、加計新設には執拗な抵抗

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加計学園疑惑で「総理のご意向」は本物だと告発した前川喜平氏(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 加計学園をめぐる一連の騒動は、なお現在進行形のようだ。安倍晋三首相による新設学部設置の許認可への介入を疑う野党と、それに与するマスコミは疑惑を立証しようと躍起になり、政府は全面否定をして事態を収めようとしている。

 ただ、大学を社会人になるための一過程ととらえている大多数の国民は白けた気分で眺めているのではないか。先日、ある大学の関係者から「勧善懲悪で語られるべき問題ではない」とのメールを頂いたが、正鵠を射る指摘と思われる。

 もともと大学は教育機関ではあっても、政官財や所在する地域の自治体、そして近隣の住民とも密接な関係にあり、そのすべてが利害関係者になりやすいものだ。このために各々の立ち位置で考える、大学のあるべき姿があり、マスコミが陥りがちな善悪の二元論で割り切るのは難しい。

 加計学園に関しては、構図はさらに複雑だろう。まず獣医学部の新設に難色を示した文部科学省。多くの野党やマスコミが、こちらを支援しているようだが、過去の行状を知る者ならば、素直に拍手を起こす気にはなれないだろう。

 学部の新設に難色を示している文科省だが、少子化が進行して、運営に行き詰まる大学が出始めた2000年以降も、毎年相当数の私立大学の新設を認可してきた経緯がある。そしてその多くは現在、収容定員を大幅に割り込む、定員割れが常態化している、最高学府と呼ぶには微妙な大学に化けている。既存の学部の動向からみて、受験生の支持を集めそうな獣医学部の新設に、ことさらに抵抗をする今回の姿勢とは明らかに矛盾している。

 一方で、官僚仕様の岩盤規制の突破を自画自賛する政府の姿勢も、額面通りの評価はできない。識者の間でも見方が分かれる獣医学部の適正数はともかく、そもそも大学が規制緩和の対象としてふさわしいものであるか、疑問であるからだ。

 出生数の底ばいは続き、少子化は止まらない。今後20年近くは大学を運営する環境が好転しないことは容易に想像がつく。大学を民間企業でたとえるならば、典型的な構造不況業種である。市場のパイが縮小して需要が伸びない分野に規制緩和を持ち込めば、救いのない消耗戦、容赦のない選別、淘汰に向かうだけだ。新しい何かを生み育む、規制緩和の利点など望むべくもないだろう。

 要するに攻守に分かれている双方とも、確固とした信念、ビジョンを持って規制厳守、緩和を唱えているとは思えない。こちらが正しいと軍配を上げるようなレベルではないわけだ。

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