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高畑の顔芸だけが光る『過保護のカホコ』、「ただただイライラする」と不満続出……

吉川織部/ドラマウォッチャー
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1707_kahoko550.jpg『過保護のカホコ』公式サイトより

 高畑充希出演の連続テレビドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の初回が12日に放送され、平均視聴率は11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。このドラマは、何から何まで親の庇護を受けて育った女子大生・根本加穂子(高畑)が1人の青年との出会いによって変化し、自分の中に眠っていた力に目覚めていくというストーリー。加穂子に影響を与える青年・麦野初役で竹内涼真、加穂子を溺愛する母親・泉役で黒木瞳、泉の過保護ぶりに気づきながらも何もできない父親・正高役に時任三郎らが出演している。

 初回では、加穂子に大きな影響を与える初との出会いが描かれた。加穂子はある日、同じ大学に通う画家志望の彼から「お前は何のために働くんだ?」と疑問を投げかけられる。就職活動がうまくいかず自分なりに悩んでいた加穂子は、逆に「みんな何のために働いているの?」と尋ねた。うまい答えを持ちあわせていなかった初は「働いたこともないやつにわかるわけないだろ」と加穂子に自分のバイトを押しつける。生まれて初めて仕事をやり終えた加穂子は、両親に「人を幸せにするために働きたい」と宣言する――という展開だった。

「痛快ホームドラマ」と銘打った割には痛快なところがひとつもなく、笑いどころもなければ緊張感もなく、総じて盛り上がりに欠けるドラマだったというのが率直な印象だ。公式サイトによれば、加穂子が「家族の問題を次々と解決していく」ドラマになるらしいので、初回はそこまでたどりつかなかっただけかもしれないが、それにしても起伏がなさすぎて2話への期待感があまり持てない。

 登場人物の設定や演出にも大いに違和感を覚えた。その最たるものは、ネット上でも指摘する人が多い「加穂子を見ていると、ただただイライラする」という問題だろう。誰の言ったことも疑わずに素直に受け取るところや、ティッシュ配りを始めたら終わるまで親に連絡するのを忘れるところ、嫌味を嫌味と受け取れないところなどが、視聴者のイライラを助長させたと言えるだろう。

 加穂子に影響を及ぼす初についても、よく意味がわからない人物だと言わざるを得ない。大学内で一度ぶつかっただけで、なぜあんなに加穂子の生活が気になるのか。日本の行く末を憂いてみたり、「お前は何のために働くんだ?」と説教を垂れたりするのに、自分は絵で食べていくと言い張って就職しないという人物設定も意味不明だ。

 時任三郎の棒読み過ぎる語りもひどいし、家族をいちいち動物にたとえてスマホアプリみたいにイラストをかぶせる演出も意味がわからない。原作漫画を再現しているんだろうなと思って大目に見ていたら、実はオリジナル脚本だと知って驚いた。あんなくだらない演出にどんな意味があるのか。泉が強気になれるエリアがハート型になっているという設定も含めて、全体的に大いにすべっている感じが否めない。

 すべっていないのは高畑の見事な顔芸だけである。題材はいいと思うし高畑も役側に合っていると思うので、脚本と演出次第でどうにでもおもしろくなると思うが、果たして第2話以降で予告通りの「痛快ホームドラマ」を見せてくれるのか。しばらく注目していきたい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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