韓国で一大ブームを巻き起こしたドラマの日本リメイク版『ごめん、愛してる』(TBS系)の第3話が7月23日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。初回9.8%スタートから第2話は10.0%と微増していたものの、再び1ケタ台に下がってしまった。
TOKIO・長瀬智也が演じる主人公の岡崎律は、幼い頃に母・日向麗子(大竹しのぶ)に捨てられ、愛を知らずに生きてきたが、三田凛華(吉岡里帆)との出会いがきっかけで愛することと愛されることを知る……というストーリー。
第3話では、凛華の幼馴染で、麗子の“唯一の息子”として可愛がられている天才ピアニスト・日向サトル(坂口健太郎)が、個性派サックス奏者・古沢塔子(大西礼芳)にプロポーズしたいと考えていた。一方、サトルと塔子のデート現場に突如現れた麗子は、2人の交際に反対。
麗子が反対している理由は、塔子の異性関係。たしかに、彼女はこれまでにも奔放なキャラクターとして描かれていたが、サトルはそんな部分も“大人の魅力”と捉とらええて惹かれている。一方、凛華はサトルの相談に乗りつつ、塔子に対して「サトルのことを振り回さないで」と反感を抱いていた。
同ドラマのヒロインは凛華だが、現状、凛華が好意を寄せているサトルは塔子に夢中。今回はそんな凛華と塔子の“違い”が明確に感じられた。
まず凛華の良いところは、サトルに対して献身的で、自分よりサトルの気持ちを優先する健気さだろう。次に悪いところをあげるなら、サトルが好きすぎて周りの異性(特に律)に警戒心がなく、スキンシップ過多など“女が鼻につく女”をチラつかせるところだ。
続いて塔子の良いところは、サトルも言っていた“大人”な振る舞い。といっても、性に奔放な部分ではなく、無駄な争いをしないというところだ。今回、麗子から異性関係を指摘され、あからさまに敵意を向けられたシーンで、塔子は突然ワインを注文し、「難しい話は後でいいじゃないですか」とニッコリ。すると、麗子も一旦冷静になり、素直に応じていた。冷静になったというより、自分よりずっと若い塔子に“余裕”を感じて悔しかったのかもしれないが。
最終的に、塔子は「サトルくんを自分のものにしたいと思うほど好きじゃないです」と、ハッキリと告げて去った。その後、なんと律に連絡先を渡していた塔子に対し、インターネット上では「ビッチすぎる!」などと嫌悪感を示す視聴者が散見されたように、塔子の悪いところは“ビッチ”に見える言動かもしれない。
しかし、私からすると凛華は凛華で“小悪魔”に見える。今回のラストでは律の頭をポンポンと撫でたり、ひざ枕をしたりし、結果的に律からキスされていた。律の立場で考えてみると、凛華みたいな女の子にあそこまでされたら、そりゃあその気にもなるだろう。これで次回、凛華が「無自覚でした」みたいな反応をしようものなら、鼻につくなんてもんじゃない。
もしも今後、凛華が律に好意を抱いていくとしたら、サトルの時以上に塔子と火花を散らすことになる。小悪魔vsビッチのバトルは楽しみだが、TBSの「日曜劇場」枠らしからぬドロ沼展開に、視聴者はどれだけついてこられるだろうか。
(文=美神サチコ/コラムニスト)