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富士通、生き残りかけ容赦なき改革総仕上げ…「馴れ合い」と決別

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富士通のPC(写真:つのだよしお/アフロ)

 富士通富士電機の株式持ち合いの解消が進む。

 富士通は、保有する富士電機株の7割以上にあたる5400万株を9月26日に売却した。富士通の富士電機株の保有比率は10.44%から2.86%に下がり、筆頭株主から4位の株主に後退した。富士通の2018年3月期の業績予想(連結純利益で前期比64%増の1450億円)には、株式の売却益273億円が織り込まれている。

 富士通と富士電機は、相互に発行済みの株式(自己株を除く)の10%超を持ち合っていたが今年2月、株式の持ち合いを縮小すると発表した。

 富士電機は2月、富士通株11%強のうち8%強を売却。売却総額は1072億円に上り、117億円の特別利益を計上した。17年3月期の純利益は270億円を予想していたが、特別利益が加わり409億円になった。富士電機の富士通株の保有比率は2.87%に低下した。

 両社は今回の保有株の売却後も当分の間、協力関係を維持するため、残りの株式は持ち続けるとしている。

 持ち合い株の解消が進んだのは、次のような理由からだ。

 東京証券取引所が15年6月にコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を導入したことによって、持ち合い株を保有し続けるには、“合理的説明”が必要になった。

 また、国際財務報告基準(IFRS)の採用が広がったこともある。これまでなら簿価の低い持ち合い株をいったん売って「益出し」をして、期末までに同数の株式を買い戻せばよかったが、こうした「益出し」ができなくなった。

 つまり、保有株式の株価の変動によって利益が大きく左右されるようになったため、持ち合い株を削減して、株価変動の決算への影響を小さくする企業が続出しているのだ。持ち合い株の解消は、3メガバンクや財閥系などの企業グループで広がっていった。富士通と富士電機の相互持ち合いの縮小は、この流れに沿ったものだ。

グループから完全独立した産業用ロボットのファナック

 富士電機と富士通の源流は、1875年に古河市兵衛が創立した古河本店にさかのぼる。足尾鉱山で成功し、古河鉱業を親会社にして金属加工、電機、化学など八十数社で形成する一大コンツェルンとなり、古河財閥と呼ばれた。しかし、第2次世界大戦の敗戦に伴い財閥は解体され、戦後は古河グループ(古河三水会)と称し、金属・電機・化学工業などで企業集団を形成した。

 古河グループの各事業の中核は、鉱山・製錬が古河鉱業(現古河機械金属)、非鉄・電線は古河電気工業、電機機械は富士電機製造(現富士電機)だ。通信・電算機の富士通信機製造(現富士通)は、富士電機から分離・独立した。さらに、富士通からNC(数値制御)装置の富士通ファナック(現ファナック)が分離・独立していった。

 古河財閥を源流とする企業の産業界での位置付けを見ておこう。

 富士通はサーバーで国内シェア1位、パソコンは2位。日本軽金属グループの日本軽金属はアルミ圧延品で4位。日本ゼオンは合成ゴム2位。横浜ゴムは自動車用のタイヤで3位だ。世界有数の光ファイバーメーカーである古河電気工業の電池製作所を発祥とする古河電池もある。古河電気工業が古河電池の株式を57.2%保有している。また、古河機械金属は削岩機で国内首位だ。

 高収益会社になったファナックは、グループから完全に独立した。親会社だった富士通や、富士通の親会社の富士電機は、ファナック株を全株売却している。
(文=編集部)

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