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高橋篤史「経済禁忌録」

一大地下経済ネットワーク、警察捜査で全容解明か…あの有名寺院や大手予備校FCまで

文=高橋篤史/ジャーナリスト
一大地下経済ネットワーク、警察捜査で全容解明か…あの有名寺院や大手予備校FCまでの画像1「Thinkstock」より

 東証マザーズに上場するストリーム株をめぐる金融商品取引法違反(相場操縦)事件で、関係者6人が警視庁捜査2課により逮捕された(逮捕者数は10月25日現在)。背後に張り巡らされた複雑な人脈をたどっていくと、現在進行中のものも含め数多くの事件や不祥事、不審な動きが浮かび上がってくる。ストリーム事件はそれらの氷山の一角にすぎない。

 相場操縦はストリームの創業者である劉海涛前社長(10月17日付で取締役も辞任)の保有株も使い複数の手口で行われていた模様だ。実際の売買を担当していたのは、笹尾明孝、高橋利典、本多俊郎の各容疑者、それらに資金を提供する側として松浦正親、佐戸康高、四方啓二の各容疑者が動いていたとみられている。

 笹尾、高橋、本多の各容疑者は過去に経済事犯で摘発されたことがあり、仕手筋としてよく知られた面々。不振企業に接近してエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)を持ちかけ、株券を乱発しながら裏で資金を還流させるといった手口に通じた“資本のハイエナ”の代表格としてひと頃は株式市場で派手に振る舞っていた。

 笹尾容疑者は2004年に他の金融ブローカーと組み日本エルエスアイカード(05年7月に銀行取引停止)を乗っ取り、自らが社長に就任、翌年4月に当時流行りのMSCB(下方修正条項付き転換社債)を使った架空増資を画策し、06年2月に逮捕された。高橋容疑者は08年に行われた井上工業(08年10月に破産)の架空増資を主導し、11年8月に逮捕。本多容疑者はNFKホールディングスやクオンツ(09年1月に上場廃止)、シルバー精工(11年12月に破産)などで数十億円規模のファイナンスを次々と仕掛け、多額の報酬を荒稼ぎ、09年2月に脱税で在宅起訴された。

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 もっとも、今回注目したいのは、それら歴戦の猛者を“下請け”に使った松浦、佐戸、四方の各容疑者から延びる地下経済のネットワークだ。3人は「フィクサー」との異名もとる朝堂院大覚氏やその子息の松浦大助氏に近いことで共通しており、その周辺で数々の不審な動きが見られることから新手の仕手グループとして注目されてきた。そして、そこには劉前社長をはじめとする中国人経営者のネットワークも絡み合っている。

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

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