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香港の摩天楼の一角にそびえ立つリッポーセンター、その24階にダイマジン・グローバルという会社が登記されている。設立は10年9月。その100%株主で唯一の役員でもあったのが元山一証券社員の佐戸容疑者である。ダイマジン社はその後、都内のエコ・コンストラクションなる建設関連会社の100%株主となるが、同社の代表取締役は松浦容疑者だ。松浦容疑者はそれ以前、大分県でタクシー会社を経営するなどしていた。
ダイマジン社設立の直後、なぜか佐戸容疑者は当時、東証マザーズに上場していたリミックスポイントの経営企画室に入社、11年6月には取締役に就任している。そして13年春、リミックスポイントの筆頭株主に突如登場したのが件のダイマジン社だった。
これらの動きはそれ以前からある程度仕組まれていたフシがある。そもそもの始まりは直前の10年6月に行われたリミックスポイントへの緊急融資だった。同社は当時、ローソンの子会社を舞台とする巨額の資金流用事件の余波を受け、経営混乱の最中にあった。
緊急融資で貸し手となったのは劉前社長率いるストリームと、やはり中国人が経営するキング・テックという都内の会社だった。さらに両社はリミックスポイントの株式を大量に取得、後にその大半を譲渡した先が佐戸容疑者のダイマジン社だったというわけである。つまりこの頃すでに劉前社長と佐戸容疑者との間には接点があった。
かたや、キング・テックのほうは、この時点で良からぬ取引で片棒を担いでいた。その相手はやはり中国人の李堅氏が社長を務めるジャスダック上場のSJI(現カイカ)だった。
李氏は水面下で05年頃、自社株を担保に金融ブローカーから10数億円を借りていた。株取引の損失を穴埋めするためだ。その後、借金は30億~40億円にまで膨張。借りては返す自転車操業に陥った李氏は、SJIと協力先との間で機器の仕入れを仮装した不正取引をでっち上げることで資金を捻出、それを何度も繰り返した。その有力な協力先こそがキング・テックだった。結局、この不正取引は14年10月に発覚、李氏は自らが創業した会社から追放されることとなる。
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