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『獣になれない私たち』に「不快」と酷評噴出…「セクハラされるガッキー見たくない」

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 新垣結衣と松田龍平がダブル主演を務める連続テレビドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)の第1話が10日に放送され、平均視聴率は11.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)だったことがわかった。

 新垣が主演した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の大ヒットで注目を浴びた野木亜紀子が脚本を担当するとのことで、視聴者の期待はかなり高かった。だが、いざドラマが始まってみると、ブラック企業で新垣が消耗していく様を延々と見せられるだけ。新垣演じる制作会社の社員・深海晶は、無能な社員の肩代わりと尻ぬぐいを全部押し付けられ、疲弊する毎日。ワンマン社長の九十九剣児(山内圭哉)は「教えていないお前が悪い」「お前が代わりにやれ」と威圧的にどなるばかりで、状況をまったく改善してくれない。

 担当者の代わりに謝罪に出向いた先では、相手方の担当者から「ごめんごめん」と頭を撫でられ、会社でようやくホッと一息ついたタイミングで「(言い過ぎた)お詫びにおいしいものごちそうするよ。晶ちゃ~ん」と気持ち悪い電話がかかってくる。もはや、「ガッキーがかわいそう」というレベルを超えて、見ているこちらが不快でならない。

 こうした展開を受けて、視聴者からは「ガッキーがかわいいだけのドラマを見たかったのに、これはひどい」「パワハラやセクハラされるガッキーなんて見たくなかった」「仕事で疲れて帰ってきて、なぜドラマでまでもう一度嫌な思いをしなければならないのか」といった批判が大噴出。ネット上には、「1ミリもおもしろくない」「いくらガッキーのドラマでも2話からは見ない」など、初回で見限ったとする書き込みも少なくなかった。

 だが、ラストでわずかに救いらしきものはあった。まず、よく行くバーの常連・根本恒星(松田)の「ここオレの事務所。寄ってく?」との雑な誘いを、「私はビール3杯じゃ酔わないし、店から徒歩3分の間にたぶらかされるほどバカでもありません」と穏やかにキッパリ断ったのは気持ちが良かった。さらにその翌日、サングラスに革ジャンで精いっぱいグレた感じを装って出勤し、社長にいきなり「私の業務内容の改善要求です」と資料を手渡したのだ。

 大声を上げたり、資料をたたきつけたりしたわけではないので、いかにも「反撃開始」というスカッと感は少なかったが、少なくともガッキーがやられっぱなしで終わるドラマではなさそうだとわかっただけでも救われた気分だ。

 とはいえ、これらの「まあまあ良かったシーン」は、ラストのわずか数分間。そのためだけに1時間もストレスのたまる映像を見せられたのでは、たまったものではない。極端に言えば、初回の内容は『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)なら5分で終わる内容だと思う。日本テレビは本作を新垣結衣と松田龍平が繰り広げる「ラブかもしれないストーリー」としているが、初回はお仕事ドラマの要素が強かっただけに、現時点では2話以降の展望が見えず、「どうしても続きが気になる」とまでは思えないのが正直なところだ。

 批判ばかりに終始したので、ひとつだけこのドラマの良い点を書いておきたい。それは、これまでのイメージを覆すような新垣の新たな一面を引き出していることだ。新垣は本作で、疲れ切って表情もなくなった感じや、衝動的に電車の線路に飛び込みそうになる様子など、ブラック企業に勤める人をあまりにもリアルに再現している。結構目立っていたおでこの吹き出物すら、「こんなに毎日疲れ切っていたら肌も荒れるだろうな」と思えてくる。「困った人だな」という表情で松田龍平をうまくあしらう演技もかなり良かった。「かわいさ」ばかりが注目されてきただけに、やさぐれた演技も意外にうまいことがわかった収穫は大きい。『逃げ恥』は賛辞を込めたニュアンスで「ガッキーがかわいいだけのドラマ」と呼ばれたが、もしかしたら本作はガッキーの演技のうまさを楽しむドラマとして記憶に残る可能性がある。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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