●トヨタ筆頭に自動車業績が急回復 円安追い風、次は「ベア」が焦点に – J-CASTニュース(11月16日)
自動車メーカー各社の中間決算が発表され、各社業績が急回復。トヨタでは、前期比14.9%増の12兆5374億円の売上高を記録。純利益は過去最高の1兆6億円を達成した。さらに、2014年3月期の通期見通しでは、売上高25兆円、純利益は1兆6700億円と発表。しかし、市場ではこの予想を「保守的」とする見方も強く、さらなる上振れも期待できる。トヨタのほかに、スズキ、マツダ、富士重工業、三菱自動車でも、営業利益が過去最高を記録している。
好調の一因は前期よりも20円安くなった為替レート。これによって自動車大手7社は1兆円あまりの恩恵を授かっている。
今後の懸念としては、新興国経済の減速。トヨタはタイやインドの市場が芳しくなく、不安要因になっている。今回、大手自動車メーカーの中で唯一営業減益となった日産自動車は、ブラジル、インド、ロシアなど新興国での販売が振るわなかったことがその原因。タイでは新車購入促進税制がなくなり、インドでも市場全体が芳しくない。また、トヨタは、日本、北米で年間販売目標を増加させる一方、アジア諸国では6万台引き下げ、164万台としている。
●三菱自動車「アイミーブ」、大幅値下げの深層 – 東洋経済オンライン(11月17日)
三菱自動車が09年より販売している量産型電気自動車「i-MiEV」が約90万円値下げされ、205万1150円となった。リチウムイオン電池やモーターなどの価格が下がり、製造コストが安くなったことからの値下げと見られている。
これまでの累計販売台数は9000台にとどまっており、充電場所の少なさや走行距離の短さと併せて、車両価格の高さもネックとなっていた。今回の値下げで売上げアップ、という期待がかかるが、本記事では「かなり厳しいだろう」とバッサリ。ガソリン車トップの燃費を誇るダイハツ・ミライースの価格は最も安い車種で74.5万円。これに比べると、90万円の値下げでもまだ高い。値下げ後の「i-MiEV」販売目標台数は、月間200台と弱気だ。
だが、三菱自動車にとって、次世代車の本命は電気自動車ではなく、電気自動車とハイブリッド車の中間である「プラグインハイブリッドEV(PHEV)」。今年1月に投入した新型SUV「アウトランダーPHEV」が好調の同社。月産能力も2000台から4000台に倍増し、高まる需要に応えている。
●日産と三菱自がEV共同開発 トヨタ、ホンダ静観、独メーカーは参戦へ – J-CASTニュース(11月18日)
三菱自動車は、日産自動車とともに、電気自動車の共同開発を行っていく。これまでに、合弁会社「NMKV」を設立し、「日産デイズ」と「三菱eKワゴン」を販売してきた両社。11月5日には、電気自動車の分野でも共同開発を進めていくことを発表した。
10年より電気自動車「リーフ」を販売している日産自動車。だが、こちらも「i-MiEV」同様に販売台数は振るわず、国内3万台、世界でも8.3万台。当初掲げていた「16年までに150万台」には遠く及ばない。この状況を見て、トヨタやホンダでは燃料電池車を次世代車の本命と位置づけている。
これまでに、電気自動車の開発に対して多額の投資を行ってきた両社。なかなか普及しないからといっても、簡単に撤退することはできないというのが本音の様子。両社で技術開発を進めることで、投資額を抑えながら今後の事業継続を目指していく方針だ。
●政府、旧型車の増税検討 軽自動車も、業界反発 エコカー減税は拡充 – 47NEWS(11月16日)
軽自動車が好調な自動車業界だが、14年度の税制改正によって、この好調に陰りが訪れるかもしれない。政府では、エコカー減税を拡充する一方、エコカー以外の自動車や旧型車、軽自動車に対する増税を検討している。これに対して、日本自動車工業会をはじめとする業界団体は猛反発。自動車関連税の引き下げを求めている。
現在、新車販売のうち軽自動車の割合はおよそ4割。ここを狙って増税がなされれば、自動車業界にとって大打撃となることは間違いない。スズキの鈴木修会長は「先行きが非常に不安だ」と懸念を表明。トヨタの豊田章男会長も「地域で公共の乗り物となっているのが軽自動車をはじめとした自動車だ」と反発の姿勢を示している。
1997年の消費税引き上げで、97年の新車販売台数は 100万台の減少を記録した。日本自動車工業会は、来年の消費税増税に合わせて税制の見直しがなされない場合、58万台の販売減、17万人の雇用が失われるとの試算を示している。
(文=萩原雄太/カモメマシーン)