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メインバンク三井住友からの債務保証要求も拒否

1万人クビ切りNECが、ルネサスに経営危機をバラされた?

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1万人クビ切りNECが、ルネサスに経営危機をバラされた?の画像1国産PC第一号はNEC。(「同社HP」より)
 5月下旬からメディアを騒がせていた、半導体大手・ルネサスエレクトロニクスの再建計画。このほど大規模リストラの骨子が固まったが、この騒動で思いがけず注目を集めたのが、大株主の1社であるNECだ。紆余曲折の末、最終的にルネサス支援を決めたが、その経緯と最終的な決定について、市場からは「NEC危機説が再燃しかねない」との声が相次いでいる。

メインバンクからの要求も拒否

「まさかのゼロ回答。債務保証まで拒否するとは。相当、NECは危ないんだなと感じた」

 ある大手都銀幹部はこう振り返る。都銀幹部が指す債務保証とは、ルネサスをめぐるものだ。都市銀行がNECに対し、ルネサスへの融資債務保証を求めていた件で、6月14日、NECがこれを完全に拒否していたのだ。

 債務保証とは、特定の企業が負担する債務について第三者が保証すること。債務者が債務不履行の場合、保証人が肩代わりして支払う必要はあるが、債務不履行が現実のものとならない限り、手元資金の流出などはない。そのため、「そこまで深刻なのか」という観測が金融関係者の間の一部で広まった。

 そもそも、ルネサスの支援協議について、市場では楽観論が支配的だった。同じ半導体企業のエルピーダが2月末に破たんしたが、同社の主力はパソコンなどに使う汎用品・DRAM。「家電や自動車の心臓部である制御用マイコンを手がけるルネサスは、エルピーダと違ってつぶせない」というのが関係者の一致した見方だった。5月下旬に読売新聞が報じた、大株主の日立製作所、NEC、三菱電機によるルネサスへの追加出資こそ、資金が塩漬けになる可能性もあるため、これら3社は消極的だったが、支援の着地点を見いだすのは難しくないとみられていた。

ルネサス再建、株主への説明がつかない

 しかし、NECとしてみれば2期連続で赤字を計上しているのが現状。1月には1万人の人員削減を打ち出すなど、経営再建の真っ最中で、株価は105円(5月末)まで落ち込んでいる。自社が再建途上のなか、筆頭株主とはいえ上場会社のルネサスを支援しては、株主への説明がつかないというわけだ。

 ある金融筋は次のように話す。
 
「NECというより、NECのメーンバンクでルネサスの主力行でもある三井住友銀行が債務保証を頑なに拒否した。ルネサスへの融資が焦げ付けば、NECがもちこたえられない、とみていたのでは」と語る。  

BusinessJournal編集部

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