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鮫肌文殊と山名宏和、と林賢一の「だから直接聞いてみた」 for ビジネス

ガリガリ君、なぜ奇妙な味を連発?コンポタ、シチュー、ナポリタン…赤城乳業に聞いた

文=鮫肌文殊/放送作家
ガリガリ君、なぜ奇妙な味を連発?コンポタ、シチュー、ナポリタン…赤城乳業に聞いたの画像1ガリガリ君「シチュー味」と「ナポリタン味」(「赤城乳業 HP」より)

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、コーンポタージュ味やクリームシチュー味など、変わった味のアイスを次々に発売する「ガリガリ君」の疑問について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】
赤城乳業・お客様相談室 様

 私はいい年してアイスクリームが大好きである。特にこれからの季節、風呂上がりに一杯のビールならぬ一本のアイスがたまらない。すい炎を患い酒を飲めなくなって以来、すっかり甘党になり、すい臓をいたわるため脂質少なめなシャリシャリ系のアイスを好んで食べている。

 これまでいろんなアイスを食べてきたのだが、これぞ名作といえるのは井村屋の「あずきバー」であろうか。定番ロングセラー商品のプライドか、原材料は小豆・砂糖・コーンスターチ・塩のみ。まさに何も足さない、何も引かない。

「うちは余計なモノで味をごまかすようなことは、一切していません」

 一口かじるたびに、そんな職人気質な声が聞こえてきそうな超シンプルテイスト。どっしりと構えた老舗の風格が、小豆の旨味をギュッと凝縮した「氷菓」の「評価」を固めている。

 この夏、もうひとつハマっているのが、“お口の恋人”ロッテのカップアイス「爽」シリーズの冷凍みかん味。

「給食で食べた思い出の味が楽しめます」のキャッチコピー通り、私のようなオヤジ世代のレトロ感覚にジャストフィット。オヤジ的には、冷凍みかんを再現しているといいながら、本格的ではない、あくまでもシャレの範囲内の「ニセモノ」感が気に入っているのであるが……名前通り爽快なシャリシャリ感にすっかり心を奪われ、ここしばらく風呂上がりにはもっぱらこの商品を堪能している。

 近くのスーパーマーケットで嫁にまとめ買いしてもらっているのだが、最近はスタンダードなバニラ味や、売り出し中のニューフェイスであるパイン&マンゴー味に押されて、なかなか見つからないらしいのだ。近頃はテレビCMでも、宇治抹茶味ばかり見かけるし、冷凍みかん味はすっかり影を潜めている。今日もうちの嫁は近所のスーパーを「冷凍みかん味」の捜索&確保に巡っている。

 そして、なんといってもシャリシャリ系アイス好きにとって忘れてはいけないのが、赤城乳業の「ガリガリ君」である。

 いかにもカラダに悪そうな色といい、気をつけないとかぶりついた瞬間に歯が折れそうになるあの硬さといい、安くて旨い棒アイスの要素をすべて満たしている。食べたことがない人はほとんどいないのではないかと思うほどの国民的アイスである。

 そんなガリガリ君が最近、攻めの姿勢を押し出している。次々に斬新な味を投入し、世間の話題をさらっているのだ。「スイーツなガリガリ君 ミルクたっぷりとろりんシュー味」など、インパクトのある味を立て続けに発売している。

 中でも一番衝撃だったのが、2年前に発売された「ガリガリ君 リッチコーンポタージュ味」だ。コーンポタージュをそのまま凍らせた冷製スープのような味には、当時たいそう驚いたものである。それ以降、ガリガリ君は奇をてらったような新味を出し続けているが、一体それはなぜなのだろうか?

 だから直接、赤城乳業・お客様相談室様に聞いてみた。

「なぜ最近ガリガリ君は、奇妙な味のアイスを発売し続けているのですか?」

担当者 弊社は、以前は「ラーメンアイス」など面白い商品をつくっていたのですが、最近そういった「面白い商品がない」とお客様からご指摘がありまして、「何かお客様に楽しんでもらえる商品をつくろう」と企画し始めました。まず第1弾として「コーンポタージュ味」を発売いたしました。続けて、「クレアおばさんのシチュー味」「ナポリタン味」を発売いたしました。

–始まりはお客様の意見だったのですね。

担当者 そうです。「お客様に一風変わった面白い商品を」ということを心がけて開発しています。

–ちなみに、ボツになった「不思議な味」は何かありますか?

担当者 商品開発会議において検討した上で、実際に商品化されなかったものもあるのですが、そちらは非公開とさせていただいております。

 なんと、「面白いから」という、ごく単純な理由で奇妙ともいえる味を連発していたのである。ぜひとも商品開発会議を見てみたい。テレビのバラエティ番組の企画会議さながらに、インパクトのあるアイデアが飛び出してくるのだろうか?

 ちなみにラーメンアイスは1984年に発売されたものだが、こちらもぜひ復刻してほしいところだ。

 面白い商品を追い求めている赤城乳業によるガリガリ君の珍妙な新味アイス攻勢は、まだまだ続きそうだ。
(文=鮫肌文殊/放送作家)

鮫肌文殊

鮫肌文殊

1965年神戸生まれ。
高校二年の春、雑誌「ビックリハウス」の第17回エンピツ賞(小説)受賞を皮切りに、賞を総なめ。若干19歳で短編小説集「父しぼり」(長征社)を発表。NHK 特集への出演を機に中島らも氏の知己を得て、放送作家活動をスタートする。
1990年、松尾貴史の勧めで上京。現在に至る。
パンクバンド『捕虜収容所』のボーカルやDJでの音楽活動。テレビメディアに関するエッセイ等でも活躍中。

Twitter:@samehada19

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