金融庁「老後資金2000万円必要」に「どうしよう!」と慌てた人のためのチェックリスト5
先日、金融庁が「長寿化が進むので資産形成には自助努力が必要。老後は2000万円のお金を準備しておいたほうがいいですよ」といった発信をして、大きな話題となりました。
「そんなにたくさんの貯金は無理」「年金はしっかりもらえるはずでは……」と、頭を抱えた人も多いかもしれません。
とはいえ、長生きする時代となった今、ある程度の自助努力が必要なのは致し方ありません。私たちよりも多く年金をもらえるであろう今の老後世代でも、年金など「もらうお金」と「使うお金」の1カ月あたりの差が平均で約5万円。毎月5万円を貯蓄などから取り崩していることになるので、私たちは準備がさらに必要になります。
寿命が70歳くらいなら、60歳で仕事を引退した場合、残りが10年間しかないので、簡単にいうと5万円×120カ月=600万円あればいいということになります。ですが、「人生100年時代」といわれる今、70歳まで働いたとしても、残りは30年間。5万円×360カ月=1800万円必要になるというわけです。
ただし、この“およそ2000万円”というのは、あくまでもひとつの目安。一人ひとり生き方も考え方も異なりますので、今回のニュースをきっかけに、自分のお金まわりのことを考えたり調べたりするのが、正しい受け止め方なのではないでしょうか。
そこで今回は、「老後に2000万円も準備できない! どうしよう!」と思った人がチェックすべきことを5つお伝えします。
1.「退職金」がどれだけ出るか
もし勤務先から2000万円の退職金が出れば、それだけで大きな老後資金になります(ただし、このお金で住宅ローンを完済したい場合は老後資金は別に必要です)。
退職金といっても、現在30歳の方なら30年以上先のこと。その頃、会社がどうなっているかは正直なところ誰にもわかりませんが、「現時点で退職金がもらえる会社か」ということは時々チェックしておくことをおすすめします。もらえる場合は、どれくらいかを把握しておくといいでしょう。
現時点で退職金がない勤務先なら、老後資金の準備がより必要になることも心得ておきましょう(筆者もフリーランスで退職金がないため、自助努力が必要だと肝に銘じています)。
2.会社の年金制度はどうなっているか
会社の年金制度の手厚さによって、老後に受け取る年金は大きく変わります。「国民年金」だけというフリーランス・個人事業主の方などであれば、より準備が必要です。
年金が充実しているかどうかの簡単な見分け方としておすすめなのが、「iDeCo(個人型確定拠出年金:イデコ)」という制度で自分が積み立てできる上限額がいくらに設定されているかをチェックしてみることです。
イデコは、働き方や勤務先の状況によって、積み立てできる上限額が1万2000~6万8000円と幅があります。厚生労働省のホームページで「掛け金の拠出限度額」というところを見てみてください【※1】。
公務員なら1万2000円、企業型年金のみを実施している企業なら2万円、などと異なります。自分の勤務先の状況がわからなければ、総務や人事などの福利厚生担当者に聞いてみましょう。
この金額が高ければ高いほど、「自助努力が必要ですよ」という判断のひとつになります。ちなみに、筆者はフリーランスなので月6万8000円が限度額です。公務員の1万2000円に比べると非常に高く、「しっかり準備しなければ」と思います。
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