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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

米国、「国防権限法」発動で中国ファーウェイを叩き潰す…日本企業、緊急で対策策定の必要

文=湯之上隆/微細加工研究所所長
米国、「国防権限法」発動で中国ファーウェイを叩き潰す…日本企業、緊急で対策策定の必要の画像1ファーウェイ副会長兼CFOの孟晩舟氏(写真:AP/アフロ)

米国は本気でファーウェイを叩き潰す気だ

 5月になって、米国政府による中国ファーウェイへの攻撃が激しくなってきた。国内外のすべての企業は、国籍を問わず、業種に関係なく、以下の3件へ対策を講じる必要がある。

(1)米中の関税合戦、特に米国の第4弾の対中関税措置
(2)米国がファーウェイをエンティティー・リスト(EL)に追加
(3)米国が8月13日から2段階の日程で実施する「国防権限法」

 これらはすべて、米国による従来とはまったく異なる枠組みの対中制裁である。したがって、企業は上記の内容を正しく理解した上で、自社へのインパクトを調査し、対策を行わなくてはならない。もし、適切な対策を行わない場合、その企業は窮地に陥るだろう。

 しかし、これらに関する記事を書いたり、講演を行っても、どうも日本企業は事態の深刻さをわかっていないように感じられる。筆者は、社長直轄の対策本部を設置するくらいの措置が必要不可欠だと思っているが、果たして、そこまで行っている企業がどれだけあるか。

 本稿では、上記(1)~(3)に関する概要を説明するとともに、どのような対策を行う必要があるかを論じる。対策の方法は悪い順に次のようになる。さて、あなたの会社は、どうするのか。

1.取り敢えず様子を見る(つまり何もしない)
2.事実関係を調査し、被害を最小限に食い止めるように対策を講じる
3.対策を行うとともに、この機をビジネスチャンスと捉え、果敢に攻める

第4弾の米中の関税合戦

 米国は5月10日、「第3弾」として発動した2000億ドル(約22兆円分)の対中国制裁関税を、6月1日から従来の10%から25%に引き上げると発表した。これに続き、米国は5月13日に、現在は対象外となっている約3000億ドル分の中国製品への「第4弾」となる制裁関税の詳細を公表した。第4弾の追加関税対象製品には、アップルのiPhoneやパソコン、玩具、衣服など消費財が多く含まれる。2か月後あたりに実施される見込みである。これに対する報復措置として、中国国務院は5月13日、2018年9月に5~10%の追加関税をかけた600億ドル分の米国製品について、関税率を5~25%に引き上げ、これを6月1日から実施すると発表した。要するに、米中の関税合戦は最終段階に突入した。もはや、米中の両首脳の直接会談でしか、解決の道はないように思う。

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