国のキャッシュレス推進で、カード詐欺被害激増…サイトへのカード番号登録保存は危険
消費税増税に伴い政府がキャッシュレス政策を推進し、クレジットカード利用者が急激に増えています。それに伴いフィッシング詐欺の件数が、9月だけで前月の4倍以上の436件になり、被害金額は約4億2600万円と、1カ月で昨年1年間分と同じ金額にまで膨れ上がっています。
フィッシング詐欺とは、インターネットバンキングの口座から預金が不正に送金されるもので、最近では数千円から数万円の少額の詐欺被害が増えています。その理由は数万円程度の詐欺なら、請求書がきても気が付かないこともあるでしょうし、訴訟しない人も多いためです。
銀行やカード会社を装ったメールを送信して個人情報を入力させるフィッシングなら、「メールを開かない」「万が一、メールやリンク先をクリックしても、個人情報を入力しない」という対策がとれます。偽サイト(フィッシングサイト)に誘導して銀行口座情報やカード情報などを入力させる方法ですので、気になることがあるなら、銀行支店に出向いたりカード会社に電話して対応できます。
しかし、最近は「ファーミング」という詐欺手法が増えています。フィッシングの一種ですが、スパイウェアやウイルスなどにより侵入し、正規サイトを模してつくられた偽装サイトの IP アドレスを設定するもので、利用者が正しいURLを入力しても、自動的に偽のサイトに誘導されてしまいます。正規の URLと同じものが表示された本物そっくりのサイトに誘導されるので、いつものように暗証番号やカード番号など個人情報を入力すると、まんまと詐取されます。
ファーミング被害者は、自身が被害に遭ったことさえ気が付かないことが多いので、ネットショッピングでは運営会社に電話で発注や申込ができたかどうかを確認してもらうことが大切です。また、メールも証拠になります。発注後、自動的に送信される請求金額、引き落とし金額を確認するだけでなく、1度は確認のために直接メールでやりとりをすることです。SSLを導入していないサイトは利用しないことも重要です。最近ではアドレス・バーが緑色になるEV SSLを導入しているところもあります。