国のキャッシュレス推進で、カード詐欺被害激増…サイトへのカード番号登録保存は危険
詐欺に遭わないための対策
かくいう私も、恥ずかしながらファーミングにひっかかりそうになったことがあります。海外の英語翻訳会社のサイトで毎月2000円支払う1年間契約にカード番号などを入力、クリックした瞬間、画面が切り替わり、5年間契約で毎月2万円支払う設定になったのです。知人は1個5000円の商品を購入し、1回しかクリックしていないのに、10回もクリックしたことにされ5万円の請求がきました。
私は、先方の会社と何度もメールで交渉し、年間購入を申し込んでいない旨を連絡。また、クレジットカード会社に電話し、すぐ解約して使用できないようにしました。さらに翌日、引き落とし口座の銀行に出向き、「詐欺にあった可能性があるから、すぐこのクレジットカード会社からの引き落としを止めてほしい」と告げ、そのカードからの自動引き落とし停止書類に記入して提出しました。翌日から引き落としが停止されました。その後、1カ月間は口座を記帳して確実に引き落としされていないかを確認しました。
クレジットカードは、解約を申し込んでから実際に解約されるまでにタイムラグがあります。特に、海外からの引き落としでは、カード会社に解約したことを電話で確認しても、その前後で引き落としがされていることがあります。
クレジットカードの被害額は増加中で、2018年1~9月の被害額は181億円で、そのうち8割が暗証番号盗用によるものです。決済サービスの本人認証に不備があるためです。特に、セキュリティ対策が弱いショッピングサイトは利用しないことです。対策は以下にまとめましたが、ウイルスソフトを利用したり、できる限りネットショッピングを利用しないことです。また、OSやブラウザのバージョンアップをしていないと、脆弱性を突かれて不正侵入による感染がされやすくなります。常に更新して最新の状態を維持することが大切です。
【詐欺に遭わないための対策】
・ネット注文時には、電話でも確認する
・パスワード、IDを毎月、頻繁に変える
・ショッピングサイトにカード番号など登録保存しない
・注文後は、引き落としされる金額を確認する
・変だと思ったらカードを解約すると同時に、引き落とされる銀行で「自動引き落とし停止」の書類を提出する
・セキュリティソフトを利用する
・ソフトを最新版にバージョンアップする
・SSLを利用していないサイトは避ける
被害はますます拡大することが予想されるため、十分な対策をすべきです。
(文=柏木理佳/城西国際大学大学院准教授、生活経済ジャーナリスト)