仕組みはFXとさほど変わらない。レバレッジを効かせて、少額の資金で多額のお金を運用する取引である。ただし、FXとは異なり決済期限が決まっている。なので、FX以上に短期決戦型の金融商品といっていいだろう。
この日経225mini(以下、mini)は、簡単にいうと日経平均株価(日経225価格)という株価指数を、商品に見立てて売買するものである。投資家は、日経平均株価の先行きが、売買する時点より、
・上昇すると思えば「買い」
・下落すると思えば「売り」
の取引を行えばよい。
わずか数万円で、日経平均価格の100倍もの金額を動かせる!
では、具体的な例を挙げて解説しよう。
5月21日時点、日経平均株価は8633円89銭で引け。この値とほぼ同値で推移するmini6月限(取引期限が6月という意味)の価格は、8620円をつけた。
miniの値は5円刻みで変動する。もし6月7日を最終取引期限日とするmini6月限を8620円で買ったならば、6月7日時点で8625円以上となれば利益、8615円以下となれば損となる。売りから取引に入った場合は、8615円以下ならば益、8625円以上ならば損である(取引手数料などは考慮外とする)。
通常「1枚」と呼ばれるminiの最低取引単位は、日経平均株価(=原指数)の100倍だ。つまり、日経平均株価が8620円ならば、1枚の取引では86万2000円を運用することになる。
しかし、実際の取引では、86万2000円全額を準備する必要はなく、約20分の1である3万6000円の証拠金(=担保)を証券会社に預け入れさえすれば、86万2000円を運用できる。ここが、少ない資金で多額の金額を運用できるといわれる所以だ。
資金効率のよい投資が行える反面、ひとたび損失を被ると、その損失額は預け入れた証拠金を上回ることもある。
スキャルピングでコツコツ稼ぐ!
さて、miniの取引では、最低単位である1枚の売買の場合、5円の値動きでも、日経平均株価の100倍を運用しているので、500円の損益が出るというわけだ。
そのため1枚の取引で、5円、10円の値動き毎に利益を確定、これを積み重ねて、1日に3000円ほどの利益をあげ、週5日の取引で、7000〜1万円程度の利益を着実にあげている主婦や学生も少なくない。このように、細かい値動きの刻みごとにコツコツと利益を確定していく手法は、「スキャルピング(もしくはスキャル)」と呼ばれる。