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安蔵靖志「家電を極める!」

“4Kテレビにしたら画面暗い”問題、根本原因はテレビ局側に?とりあえずの解消法とは

文=安蔵靖志/IT・家電ジャーナリスト
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「photo AC」より

 薄型テレビのなかでも特に50インチを超える大画面になると、ほぼ4Kテレビが占めるようになってきたが、そんななかで「4Kテレビは暗い」という情報が昨年秋くらいからインターネット上で騒がれている。4Kテレビは従来の2K(フルハイビジョン)テレビより解像度が4倍(縦横各2倍)にアップしただけでなく、輝度信号の幅が広がったことで暗い部分から明るい部分までより正確に描けるようになった――はずなのだが、従来の2K放送よりも「暗い」というのだ。

 筆者もこれを検証してみたが、ある意味で正しく、ある意味で間違った情報が流れているともいえる。

 筆者が確認できたところでは、こういうことのようだ。

・BS 4Kチャンネルで放送されている「4K番組」は「明るい(暗くない)」

・民放のBS 4Kチャンネルで放送されている2K放送は「暗い」

 パナソニックの「よくあるご質問」にある「4K放送の映像が暗い」という質問に対する答えは、以下のようになっている。

<新4K衛星放送(4K放送)の一部の番組(ドラマや過去番組など)は、4K非対応カメラで撮影された映像(2K映像)を4K映像へのアップコンバート変換して、4K/HLG映像で放送されています。

2K映像(SDR)で放送されている番組と比較すると暗い映像となっています。機器の不具合ではありません>

 筆者は従来のBSデジタル放送(すべて2K解像度)とBS 4K放送(4K解像度と2K解像度が混在)の2K番組をいくつか録画してみた。するとBS 2K放送では明るいのにもかかわらず、BS 4K放送になると明らかに暗くなるのがわかった。

 これは2K放送の映像規格を4K放送の映像規格として送信していることから、4Kテレビが映像本来のポテンシャルを十分に発揮できていないというのが原因のようだ。そのカギは「HDR」という言葉が握っている。

2K放送の「SDR」を上回る「HDR」だが……

 現在市場に出回っている4Kテレビのほとんどは「HDR(High Dynamic Range)」と呼ばれる規格に対応している。これは従来の2K放送が対応する「SDR(Standard Dynamic Range)」よりも高輝度な映像信号を記録できる規格となっている。SDRが最大100nitまでしか記録できないのに対し、HDR規格は1000〜3000nit、規格としては最大1万nitまで記録可能となっている。

 HDR規格にはいくつかの種類があり、Ultra HD Blu-ray(UHD BD/4Kブルーレイ)に採用されているスタンダードな「HDR10」のほか、米Doblyが提唱する「Dolby Vision」、NHKと英BBCが放送用に開発した「Hybrid Log-Gamma(HLG)」などがある。現在の4K/8K放送ではHLG方式が採用されており、これが重要なカギを握っている。

 HLG方式は2K放送のSDR規格やSDR対応テレビとの高い互換性を重要視した方式で、SDRに対応する基本階調に加えて、それ以上の拡張階調を記録するスタイルになっている。HDRに対応する階調をHLG方式で記録すれば、SDRに比べて幅広い拡張性を4Kテレビで存分に発揮できるのだが、SDRにしか対応しない階調をHLG方式で記録すると、階調性の低い(最大輝度の低い)映像として4Kテレビが認識してしまい、暗い映像になってしまうというわけだ。

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