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東京都知事選、野党同士の命懸け“2位争い”熾烈化の呆れた理由…宇都宮健児vs山本太郎

文=編集部
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東京都知事選挙特設サイト」より

 東京都知事選は7月5日の投開票まで残り5日。メディアなどの情勢調査で6割前後の支持を得ている現職の小池百合子知事(67)の再選が固いとみられているため、世間の関心はいつになく低い。

 ところが、永田町の野党の国会議員たちは投票日が迫るにつれ、どんどんヒートアップしている。小池氏に次ぐ2位争いが熾烈化しているのだ。立憲民主党・共産党・社民党などが支援する元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)か。それとも、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)か。双方の陣営が次点のイスをめぐって激しいバトルを演じている。

 ラストサンデーの6月28日。宇都宮氏の応援団はこれでもかというほど豪勢な布陣だった。午後1時からの銀座の街頭演説には立憲民主の枝野幸男代表、共産の志位和夫委員長、社民の福島瑞穂党首、野田佳彦元首相という党首クラスの揃い踏み。続く午後3時からの新宿での街頭演説には、中島京子氏(作家)、石川優実氏(アクティビスト、俳優)、上西充子氏(法政大学教授)、町田彩夏氏(大学院生、政治アイドル)、池田香代子氏(翻訳家、ドイツ文学者)、中沢けい氏(作家)など文化人・知識人がずらりと応援に立った。前日の27日土曜日には元文科省事務次官の前川喜平氏が都内3カ所で応援に入った。

 新型コロナウイルス禍で厳しい生活を余儀なくされている非正規雇用やフリーランス、低所得者などの弱者救済の政策や、反安倍政権というリベラル色で、宇都宮氏と山本氏は支持層が被る。宇都宮陣営は著名な文化人らが宇都宮氏の応援に回ったと示すかたちで、山本氏に先行しようという戦略だ。

 対する山本氏は、「ソーシャルディスタンス街宣」と名付けて、街頭遊説の回数を増やしている。立憲民主に離党届を提出した(扱いは保留中)須藤元気参院議員が連日ゲストスピーカーとして参加し、山本氏と共に行動して応援演説を行っている。さらには、告示後に掲示板に掲げていたポスターを新しいものに貼り替えた。これにはボランティアなどの運動の活発化を図る狙いもある。

 両者の戦いについて、宇都宮陣営の国会議員はこう話す。

「立憲民主にとっては絶対に2位は譲れない戦いになりました。独自候補を擁立できなかった枝野代表は、宇都宮氏に乗ることを決めた後も『都知事選は地方選挙だから』というようなスタンスで、あまり力が入っていなかった。ところが山本氏が出馬表明すると豹変、ガムシャラになった。宇都宮氏が山本氏に負ければ枝野代表は党首としての立場が危うくなるだけでなく、枝野代表が今進めている国民民主党との合流話も頓挫しかねない。ただでさえ国民民主党の玉木雄一郎代表は合流に消極的ですから、玉木氏を喜ばせることになってしまう」

ダークホースは小野泰輔氏

 宇都宮氏は過去2度、都知事選に出馬している。いずれも共産と社民が支援しており、2012年は96万票、14年は98万票だった。これに立憲民主の票が上乗せされるはずなので、今回、宇都宮氏は100万票以上を獲得できる土台はある。

 一方、山本氏は2013年の参院選東京選挙区で66万票を獲得。19年の参院選では、れいわ新選組は東京での比例票が45万票だった。普通に考えれば宇都宮氏が山本氏を上回らなければおかしい。だから余計に枝野氏が焦るわけだ。

 有権者1100万人の東京都は圧倒的に無党派層が多いため、都知事選はどうしても人気投票の色合いが濃い。小池氏の次に知名度があるのは山本氏だろう。ただ、現職が圧倒的に優勢の選挙なので、投票率が下がる可能性が高い。三つ巴の激戦だった前回16年の投票率は59.73%。舛添要一氏が圧勝した14年は46.14%だった。今回は14年に近い投票率になることが予想される。そうなると組織票が重みを増す。つまり、投票率が下がると宇都宮氏のほうが山本氏より有利ということだ。

 もっとも、どちらも小池氏に負ければ、落選には違いないのだから、野党同士の2位争いなどに世間の関心はないが、敗戦の弁の舞台裏で微笑むのはどちらの陣営か。

 ダークホースは日本維新の会が推薦する前熊本県副知事の小野泰輔氏(46)。維新は19年の参院選東京選挙区で52万票を取り1議席を獲得している。宇都宮氏と山本氏の間に割って入る可能性がないとはいえない。

(文=編集部)

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