NHKから国民を守る党(N国)党首でホリエモン新党代表の立花孝志氏が、東京都知事選に出馬し、大立ち回りを演じている。
衆目を集めることに関しては天才的とも評される立花氏だが、今回は森友学園の籠池泰典前理事長を引っ張り出した。補助金不正事件で2月に懲役5年の判決を受け、現在は控訴中の身である籠池氏だが、立花氏の選挙ポスターにも登場しており、24日には応援弁士として上京し、都内各所で応援演説を繰り広げた。
さらに立花氏は18日に、自身のツイッター上で政見放送の収録を行ったことを明かし、こう呟いた。
「NHKの政見放送の収録終わりました。 NHKと揉めました。 NHKは放送しないかもしれませんが、その場合は、NHKを相手に裁判します」
なぜNHKと揉めたのか。23日のツイートで、その内容をこう明かしている。
「今回の東京都知事選挙 立花孝志のNHKでの政見放送は、不倫路上カーセックスの実演でした(笑)。コントじたてのアンジャッシュを上回る、六本木ヒルズの多目的トイレの紹介や、NHKが隠蔽している不祥事の暴露や喘ぎ声など、見どころいっぱいの6分間 6月29日月曜日22時42分~48分 NHK総合テレビです」
このツイートを見たフォロワーたちからは、「面白すぎる」「絶対に放送を見る」と面白がる人が続出。立花氏の政見放送の収録が終わると、「NHKのスタジオは凍り付き、担当者から『これは放送できません』と物言いがつけられた」とも報じられており、実際にどのように放送されるのかは、29日までわからない。立花氏本人も「今回の立花孝志の政見放送は、放送されたらかなりヤバイと思います」と述べている。だが、政治離れが懸念されている若者たちが、今回の都知事選に興味を持つきっかけになっているのは間違いない。
また、19日にジャニーズ事務所を退所した手越祐也に対し、ホリエモン新党の公認候補として政治家デビューを打診する意向を明かし、政治の世界に誘うと宣言した。
立花氏は“悪名は無名に勝る”を公言し、好感度の高さは無視して知名度の高い人に対して次々に出馬を打診してきた。広末涼子などの芸能人をはじめ、高知東生、清原和博といった薬物使用で逮捕された著名人、パワハラ問題などで一躍有名になった元衆議院議員の豊田真由子氏などに、選挙出馬を打診したことが報じられてきた。今回の都知事選についても、脱税の罪で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた“青汁王子”こと三崎優太氏に出馬を要請したほか、実業家の堀江貴文氏の擁立も模索してきた。
そんななか、自ら出馬した立花氏。破天荒な選挙戦を繰り広げているが、YouTubeやブログ、ツイッターなどで主張している内容を見ると、実は緻密な戦略を練っていることがわかる。
今回の都知事選は過去最多の22人が立候補しているが、メディアなどでは現職の小池百合子氏、れいわ新選組代表の山本太郎氏、元日本弁護士連盟会長の宇都宮健児氏の3人が大きく取り上げられることが多い。自民党の二階俊博幹事長が「小池氏に勝てる候補はいない」と公言するなど、ほかの候補の主張はかすみがちだ。だが、候補者が多いからこそ、それぞれの公約や都政への取り組みなど、さまざまな角度からじっくり検討する貴重な機会になるのではないだろうか。
(文=編集部)