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安倍首相に体調不良説、次期首相に麻生太郎氏が浮上…石破茂首相誕生を全力で阻止

文=編集部
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安倍昭恵夫人のインスタグラムより

 永田町に一時期、突風のように吹き荒れた「解散風」がここにきて少し収まってきた。新型コロナウイルスの新規感染者数が東京だけでなく全国でうなぎ上りとなり、「4月とは状況が違う」という政府の強弁が通用しなくなりつつある。

 そんな局面で解散総選挙など到底無理、というのが表の理由だが、もうひとつ、裏の理由は安倍晋三首相の健康問題だ。安倍首相が7月6日に首相執務室で吐血したと週刊誌「フラッシュ」(光文社)が報じ、菅義偉官房長官は定例会見で「首相の体調不安説」を否定した。

「自民党内の一部に『7月上旬に総理が倒れた』という情報が流れたんです。吐血ではなく、嘔吐したという情報もありました。『なぜ1カ月以上も記者会見をしないのか』『なぜ国会に出てこないのか』などと批判されていますが、それが体調が原因なのかどうかはわかりません。ただ、党内の多くが『総理の顔色は悪い』と思っていますよ」(自民党ベテラン議員)

 早期解散ムードが萎むなかで、「ポスト安倍」に再浮上してきたのが菅官房長官だ。昨春、「令和おじさん」で人気となるものの、秋には子飼いの大臣らの不祥事が相次ぎ、安倍首相との不協和音も表面化し、一旦は脱落したとみられていた。

 ところが、安倍首相が長らく後継者にと想定してきた岸田文雄政調会長は、コロナ対策でも失点ばかりでパッとせず、このままでは世論調査で人気の高い石破茂元幹事長になってしまいかねない。それを全力で阻止したい安倍首相が菅氏にシフトした、というのである。

 7月前後から菅氏は自らが旗振り役である「Go To キャンペーン」の推進などコロナ対策でメディア露出を高め、安倍首相も7月発売の月刊誌「Hanada」(飛鳥新社)のインタビューで、菅氏について「有力候補の1人であることは間違いない」と発言したことから、突如、「菅後継説」が流布されるようになった。

「ポスト安倍」の本命は菅氏ではない?

 だが、自民党内では「総理の意中の人物は菅氏ではない」という見方も根強い。そこで囁かれるもう1人の「ポスト安倍」が、麻生太郎副総理兼財務大臣だという。

「もし総理が体調問題などで自ら解散総選挙をしないで退陣する場合、来秋の自民党総裁任期満了までのワンポイントなら麻生氏の再登板だという話があるのです。麻生氏もまんざらではない様子。2009年の総選挙で惨敗し民主党に政権を奪われたので、『もう一度』というリベンジの気持ちが残っているのは間違いない。9月の誕生日で80歳と高齢ですから、もう1期というのは党内でも理解されないが、来秋までのワンポイントなら、ということのようです。

 逆に、総理は、一度でも隙間風が吹いた菅氏のことは後継として想定していないのではないか。麻生氏のことは盟友と思っているが、菅氏のことは根っこのところで信用していない」(自民党関係者)

 だからなのか、菅氏は二階俊博幹事長との連携をますます深めている。Go Toの推進で足並みを揃えるのは利害の一致という面もあるだろうが、両者は8月中に地方創生や防災をテーマにした派閥横断の議員連盟の設立も予定している。最近も二階氏は、菅氏のことを「立派な指導者として活躍している」とベタ褒めしていた。

 安倍首相は8月24日に、連続在任期間で大叔父の佐藤栄作元首相を抜いて歴代トップ(2799日)に躍り出る。この日を超えれば、いつ辞めてもおかしくないという声もあるが、“次”が安倍首相同様に庶民感覚とズレまくる麻生氏というのは、国民にとって悪夢でしかない。

(文=編集部)

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